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すぐに閉店していきますよ③
過去2回に渡り、なんとかオープンまで漕ぎ着けた飲食店を続けていく上で問題となる様々なケースを取り上げてきた。
今回は最終回、最後は必ずここで閉めることを決断するケースが多い『人間関係』について。
◆問題点その7
『当初関わる予定ではなかったオーナーの関係者が入ってくる』
これは本当によくあるケースだ。
開店から数ヶ月~1年はなんとなくお客さんも入り、こなしていけることが多い。
飲食店は「開業期」と呼ばれるオープンから3ヶ月ほどは割と来店数も多く順調にいくことが多いからだ。
オープニングスタッフのアルバイト募集も人気があるため、割とスタッフも集まる。
しかし、慣れてきた頃、学生であれば卒業、就活をきっかけに辞めることになる。なかなか新しいスタッフも入らず、人手が足りずオーナーの知り合いが手伝いに入る。これは知人の場合もあるし、家族の場合もある。
そしてこの頃、結果を早く求めがちなオーナー側は思ったよりも繁盛していないとメニューを変更したり、路線変更をしたりしようとする。
新メニュー開発や価格の見直しは問題ないが、やっと認知されつつある主軸として育ててきた商品そのものを無くしたりすることさえあるし、セット価格やコース料理なんかでリーズナブルに提供するといった案を出すが、大体はロス対策の余った食材を何とかしようとするメニューが多く「味」としての魅力は落ちる。
この作業の検討を丁寧にせず、料理長とのコミュニケーションをしっかり取らないと、「味」にこだわり、情熱を持っている料理長は『やってられるか』となる。
そして最悪の場合、去っていくこととなる。
更にこのタイミングでも、料理長や現場社員にも相談すべきところをオーナーは知人や家族に相談して決めてしまうことが多い。
なぜならば、周囲にいる人々は「YES」しか言わないからだ。反対されると分かっている人には相談しない。オーナーに取り入ろうとご機嫌をとる者もいるだろう。そこに「NO」は存在しない。
個人的には建設的な向上心を持ったぶつかり合いは有益だと思うのだが、これを嫌う人が多いことに驚く。
そしてまた人が去っていく。
残るのは「YES」だけ。間違っていても誰も止めない。
ここから先は速い。
人は宝だ。スタッフなのだから給料をもらうため働くのが当たり前。言われたことをやっていればいい。といったリスペクトのない態度で接していれば、言葉通り「言われたことだけ」をするスタッフが育つ。
「いつもありがとう。よく働いてくれて本当に助かるよ。」そういった気持ちが伝われば「言われたこと以上」の働きで返してくれる。
この人のために働きたい。この店が好きだ。自分の自慢の仕事先。といった情熱を持って仕事にあたってくれるのだ。アルバイトスタッフでも同じことだ。
そして実際、スタッフがいなければ営業すらできないのだ。
これは飲食店に限ったことではない。
上に立つ者がどんなに偉くなっても忘れてはいけない基本だと思う。
誰を信頼して何を実行していくのか?
共に働く仲間を慎重に見極めること。
そして人と丁寧に接していくこと。
長く続けていく上では大切なことだろうと思う。
以上、飲食店をオープンするぞ!!だけでは乗り越えられないいくつかの問題点をまとめてみた。オープンさせるまでが楽しいと言う人もいる。されど、そこには携わる人々の生活や人生がかかっていることを忘れてはいけない。
なるべく失敗しないよう、悲しい思いをする人が増えぬよう、この記事が何かの役に立てれば大変嬉しく思う。