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「ちよはち商店」開店までの軌跡 vol.3 / マダガスカルで変化した人生における大切なもの
こんにちは! ちよはち商店 代表の田中です。
今回は当店開店までの軌跡 vol.3 として、マダガスカルに滞在していく中で変化していった、感情や人生における優先順位について綴っていきたいと思います。
後にこの変化が、私が帰鹿(鹿児島に帰ること)を決断をするうえで大きな影響を与えることになります。
マダガスカルでの日々と実感
前回の記事にも書きましたが、マダガスカルでは、日系インフラ企業の現地支店において10名程度の経理財務チームを先導する役割を任されていました。
約4年半滞在した期間のうち特に前半の2年余りは、価値観の異なる、日本人の「言わなくても分かる」が通用しないメンバーを一つにまとめていくのに苦労しましたが、試行錯誤の末に後半は全員が一つで物事を進めていくことのできる連帯感のあるチームとなっていきました。
実際は、取り組んだことの全部が全部上手くいったわけではなく、最後まで苦悩が絶えることはありませんでしたが、プロジェクトの資金管理を統括する役割を果たす中で、組織全体に貢献できている感覚はありました。
携わったプロジェクトは投資規模が大きく、最貧国のマダガスカルでは、地域経済はもちろんのこと、国全体でも注目されるものであったため、滞在期間中に目に見えて街が発展していっているが分かりました。
大規模なインフラ事業なので、工事を進めるにあたって、現場作業をする人、現場を管理する人、材料や資材を供給する業者(いわゆるサプライヤー)等々、数多くの人手を必要とします。
仕事が十分になく、国民の大部分が貧困に苦しむマダガスカルにおいて、プロジェクトが直接的にも間接的にも多くの人々に雇用を与え(間接的な影響を含めるとおそらく何万人単位)、経済を支えているわけです。
「あくまでプロジェクトの一人としてだけれども、この国を発展させていく過程に、少しは寄与できているのかもしれない」
滞在期間も後半(3年目以降)に入ると、そんな実感も出てくるようになっていきました。
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人生観の変化
そんな振幅の大きい、苦労と微かな充実感を抱えながらの日々が続いていき、マダガスカルにきて丸4年が経過しようとしていた頃、自分の感情に変化が起きていることに気が付きました。
「プロジェクトの業務で自分ができることの大部分はやりきった。そのうえで、自分はこれから誰のために仕事をしていきたいのだろう…?」
もともと、「海外で働きたい。特に途上国で人々の生活インフラに関わるようなプロジェクトで経済発展に貢献したい」という学生時代からの志を実現するために、思い切ったキャリアチェンジの末にたどり着いたマダガスカル。
赴任してからはとにかく必死に仕事をする日々を過ごしてきましたが、その間にも将来について考えることはありました。
「マダガスカルの業務をやりきったら、国際機関や国際NGOで最貧国の貧困削減や人道援助に携わろう」
そんな思いをもって数年間は働いてきました。ただ、4年が経過し、志を半ば実現してしまった状態になると、その思いにも変化が現れます。
「自分が海外にいる間は、自分にとって本当に大切な人(例えば家族や親友)に対してほとんど何もすることができない。自分が育った鹿児島にも恩返しをしたいけれどそれもできない。一つやり切ろうとしている今が帰り支度を始める時なのかもしれない」
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現実問題、マダガスカルでは自分が携わったプロジェクト以外にも、官民で様々な事業が行われています。その一方で、当国の貧困問題が解決しているかと言えばそれは明らかに「No」です。
いまだに大多数の国民が貧困に喘いでいる状況です。そんな中で「学生時代からの志を実現した」という表現や「一つやり切った」というのは非常に主観的で、ある意味、視野狭窄的な感覚であることも理解しています。
ただ、自分ひとりの力で国の現状を変えるなど到底できるはずもなく、理想を追い続けることの限界をこの頃には感じていたのでした。
「鹿児島に戻ろう。故郷の鹿児島のために、そして、自分にとって本当に大切な人のために、できることをやっていこう。」
そうやって、帰鹿することを決心したのでした。
次回の記事では、「ちよはち商店」開店までの軌跡の最終章として、帰鹿してから、ちよはち商店を開店するに至るまでの出来事を書いていきたいと思います。
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"日常に彩りを" ちよはち商店 代表 田中
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