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遺伝子レベルで知っている…?
東京生まれ、神奈川育ちということもあってか、
海や港町が昔から好きでした。
特に20代から旅した函館・小樽は、
非常に懐かしさも感じる港町で。
小樽は初めて駅に降り立った時から、
不思議と、まるで土地鑑があるかのように、
自然に歩き回れました。
さほどガイドブックの内容が頭に入っていた訳でもなく、スマホのナビなどもまだ無かった頃なのに。
旅を終え、帰宅するまで知らなかったのですが、
戦死した、海軍の近衛連隊に所属していた父方の祖父は、暫く寄港した小樽で、
地元の方に相当気に入られ、求婚されたとか。
祖父は、当時既に所帯持ち、三人目の子どもである父も生まれていたのですが、
年齢の割に、独身者と思われるほど若々しい容貌、
雰囲気だったから、のようです。
戦死した、会ったことが無い祖父も、かつて、
一時期をこの小樽の街で過ごしていた…。
そして、孫娘である自分は、
遺された数少ない写真からすると、
面差しや体格などが彼にそっくりであり、
祖母が、従姉妹の中でも、自分を何故か特に可愛がってくれた理由が、大人になってから解りました。
父や、他の従姉妹たちより、愛する亡き夫…
祖父に良く似ていたからだと思います。
(無意識に、だったと思いますが。)
北海道の方々は、旅した限りの経験からですが、
概して皆さん、どこか人懐っこく、好奇心旺盛で、
気さくに声を掛けてくる(場合によっては、直ぐ家にあげて、お茶を出してくれようとする…)感じ。
戦時中、逃れられない任務とは言え、
愛する妻子たちから遠く離れて、寂しい気持ちも多分に抱えていたであろう祖父に、
北の大地の港町 小樽の人々の素朴で温かな人情は、
嬉しいものであっただろうな、と想像出来ます。
…求婚までされるとは、思いもしなかったでしょうが。
祖父の遺伝子を、特にしっかり受け継いだと思われる自分。
小樽は、遺伝子レベルで“よく知っている街”
だったのかも知れない…なんて感じました。
写真は、小樽の旅の想い出の品
北一硝子さん
http://www.kitaichiglass.co.jp/
の醤油さしです。