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団子と猫のミステリー 上


1分小説
この物語は2章構成になっています!

第一章:奇妙な失踪事件

東京の下町にある小さな和菓子屋、「みたらし庵」。店主の田中一郎は、毎日心を込めて団子を作っていた。ある日の朝、一郎が店を開けると、店の中にあるはずの団子が全て消えていることに気がついた。

「一体どうなってるんだ?」一郎は驚いて声を上げた。


見回してみると、窓もドアも鍵がかかっており、外部から侵入された形跡は全くなかった。しかし、団子だけがきれいに消えていた。一郎は困惑しながら警察に連絡し、調査を依頼した。

警察が到着し、店内を調べると、現場には不思議なことに猫の足跡が残っていた。「どうやら犯人は猫のようですね」と警察官は冗談めかして言った。

「猫が団子を盗むなんて馬鹿げている」と一郎は呟いたが、その足跡は確かに猫のものだった。

その日の夜、一郎は店に残って見張りをすることに決めた。夜が更けるにつれ、一郎は緊張感を高めていった。そして、真夜中になると、微かな音が聞こえてきた。

一郎が音のする方に目を凝らすと、一匹の黒猫が店の中に現れた。その猫は、まるで幽霊のように静かに動き、一郎の目の前で団子を持ち上げた。

「なんてこった!」一郎は声を上げたが、その瞬間、猫は団子を咥えて逃げ出した。一郎は慌てて猫を追いかけたが、猫は路地裏に消えてしまった。

「これはただの猫じゃない」一郎はそう確信した。


つづく


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