自戒(詩)
俺の手をみろ
土も掘れば 飯も炊く
人も叩けば 涙も拭う
そんなこの手をどうおもう
手に悲しみは書かれていない
手に喜びは書かれていない
けれども手は俺のこと いままで食わせてきたんだぜ
言葉じゃ無論満たされなかった寂しい腹を
俺の手は、
お前の足をみせてみろ
節に刻まれた皺
薄いしみ
寒い色した爪
小指の根本にほくろがひとつ
そんな足をどうおもう
足に痛みは書かれていない
足に信念は書かれていない
けれども足はお前のこと ここまで運んできたんだぜ
言葉じゃ決して進むことのできなかった日々を
お前の足は、
この手を、この足を、醜いなどと思うなら
俺はひどい恩知らず
人の手を、その足を、醜いなどと罵るのなら
お前はとんだ恥知らず