チワタユフ

シンガーソングライターのチワタユフです・*・:≡( ε:) 詩をメインに、歌詞や楽曲記事などを徒然に書いております。 ぜひまたお立ち寄りください₊♫*

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なみだ(詩)

なみだは ほほに流れる川 誰も辿れぬ谷底の道 花も咲かない渇いた闇を しずかに ただただ流れるしらべ なみだは むねからあふれる言葉 誰にも見えぬ刹那の光 ウン十万の知識のうらで しずかに 生まれて消えゆく叫び なみだは なんでも知っている 本当は なんでも知っている わたしが知らないことすらも なみだは いつも知っている 知っているから そっと流れる 気づかぬうちから しずかに流れる

    • ばか(詩)

      ようちえんで ともだちが チューリップに いろみずあげて かわったいろの はなを そだてた せんせい みんな かんしんしきって きれいね すごいわ まほうみたいと そのこを かこんで わいわいしてた だからわたし いえにかえって オレンジいろの えのぐをといて ペットのしろいぬに なめさせてみた そしたら ママが すっとんできて ばかだね このこは どうしようもないと わたしを みおろし ないて しかった ばかなわたしは ぽかんとして オレンジいろに くちだけそまった

      • 自戒(詩)

        俺の手をみろ 土も掘れば 飯も炊く 人も叩けば 涙も拭う そんなこの手をどうおもう 手に悲しみは書かれていない 手に喜びは書かれていない けれども手は俺のこと いままで食わせてきたんだぜ 言葉じゃ無論満たされなかった寂しい腹を 俺の手は、 お前の足をみせてみろ 節に刻まれた皺 薄いしみ 寒い色した爪 小指の根本にほくろがひとつ そんな足をどうおもう 足に痛みは書かれていない 足に信念は書かれていない けれども足はお前のこと ここまで運んできたんだぜ 言葉じゃ決して進むことの

        • 雲中モノレールは月に向かって(詩)

          心臓に虫がいることを隠して ビー玉のような瞳をした子がいる その子は心臓の薬をもらうため 毎週 月に通っているけれど いつも置いてきた子猫が ミルク皿をひっくり返してお腹を空かせている気がするので 何度も立ち止まる 心臓の虫はそんなとき暴れる やさしい色の瞳がくるくる揺れる 遥か続く有料道路は空中を 花ひらく屋上を越えてゆくけれど 部屋で待つ痩せた子猫が 一枚しかない毛布をやぶって寒さに震えている気がするので 何度も振り返る 心臓に虫がいることも忘れて 透き通った瞳は

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        なみだ(詩)

          MIDNIGHT DANCING

          こんにちは、シンガーソングライターのチワタユフです! 先日、音楽人生の大恩人であり、研究者であり、作曲家であり、わたしの楽曲の共同編曲者である水流ともゆき氏が、8月にリリースした拙曲「MIDNIGHT DANCING」についてアレンジ面を中心に解説する記事を書いてくださりました! なので、冷たい川に飛び込む気持ちで、わたしも作者目線の制作過程話などを書いてみたいと思います。 ちなみに、なぜ冷たい川に飛び込む気持ちかと言うと、記事の完成形が全く想像できないからです。 感覚ま

          MIDNIGHT DANCING

          ぼくに映画が撮れたなら(詩)

          友達のAくんは、両目をつむってスキップしてた。 たいして面白くなかったけれど、両目つむってスキップしてた。 夕暮れにドクドク迫りくる重い球が憂鬱で、 ぶつかりながらスキップしてた。 ぼくに映画が撮れたなら、 うるさいばかりの足元に深い亀裂をぱっと入れ、きみを落っことすことができたのに。 次の日のAくんは、小さい子を突き飛ばして笑ってた。 膝小僧すりむいて泣いている子を軽く小突いて笑ってた。 夕暮れにドクドク込み上げる重い球がこわくて、叫ぶように笑ってた。 ぼくに映画が撮

          ぼくに映画が撮れたなら(詩)

          チュ チュ(歌詞)

          真っ白なチュチュの ふわりと軽いチュチュの 濡れもしなければ 乾きもしないチュチュの スカートが膨らむ。 湿った風が 泣きながら走り去る頃に 七月の雨が残したまどろみは あの娘の香水に似た 月夜の香りとなる。 追いかけて 追いつけず 叫んだ早朝の白く染まった路地 「珈琲一杯で最後にしよう」 振り向かない あの娘 夜に咲くチュチュの 陰影を巻くチュチュの 忘れもせずに じっと見つめるチュチュの スカートが萎れる。 狡い指と指 絡まった先 実る憂鬱 抜け殻の朝は十年後も咲

          チュ チュ(歌詞)

          THE SPOOKY SPOOKY WORLD(歌詞)

          映画館の暗闇の中 連なる悲鳴でわかった 上映中のあれはspooky movie ヒューマンドラマだと思っていた しらばっくれて帰ろっか だけど通路はすでに混雑 こんなつもりじゃ無かった あーあ気づくのが遅すぎた 手と手を取り合い右〜左〜 うまくタイミング合わせて前へ後ろへ 手と手が取り合い 痛い痛い ズレはじめたら止まらない 緊急事態 『かつてcreepyだった世界は いまじゃ楽園です』…なんて嘘 もはやspookyな世界で 知らんぷり決めこんで生きる or not a

          THE SPOOKY SPOOKY WORLD(歌詞)

          TOKYO☆BLUE(歌詞)

          裸隠す白い繭を絶えず光が染める だからまるで素敵な蝶になるサナギのようにも見えます だけど本当は何も無くて 眩しい場所を探し回っては 一時の夢にスパークして 目を逸らしているんです フラフラ fu-fu ふわん ソワソワ ああ何か不安 フラフラ fu-fu ふわん 突然に… 揺れる トーキョーブルー 2番線ホーム 散らばるパズル 見つかんないピースは 誰かの靴裏 泣きそう 弾む トーキョーブルー ビルの鍵盤たたくマーブル 砕けた破片を 拾いあつめる夜 泣きそう yan

          TOKYO☆BLUE(歌詞)

          A-B-C(歌詞)

          君の名前 あっぷりけ ワンピース バッグ シューズ 埋め尽くす もう取れやしない 君のTシャツは白いね 人生は長いらしい but コマ切れのショータイム 揺れるだけ揺れたら落ちる 見えざる滑稽なサーカス うーん? なんか足りてないような うーん、、 それも悪くないような 一寸先は深い闇 早急に選ぶ A-B-C モザイクだらけの胸に問う 節操のない I love you 甘い夢ほどミラーハウス どれも行き止まり A-B-C 寝ても覚めても傷だらけ ぐるぐるに I love

          愛のへんてこ(歌詞)

          君の痛みが腕の傷なら 薬塗って手を重ねるけど 本当の痛みは深い深い場所 夜にあかり灯すことしかできない かなしみに何か形があるなら まるく研いて坂道から海へ 答えのない世界の方程式 解いているふりをしてやり過ごす 遠ざかる 夢にみたかわいいだけのふたり 壁に飾って 今日をまた1からはじめよう ハロー ハロー ふたりはよくできた生き物 臆病でちいさな心 隠して きらきらをぶつけあう ハロー ハロー 眠りの浅い夜にみる月 切ないくらい尖っていても触りたい きらきらのその先に

          愛のへんてこ(歌詞)

          悪人(詩)

          まっさらな世界に筆を押しつけるとき 汚している気になって ああ、もう戻れない、戻れないぞと 迷い 唸っている間に 乙女の七色の返り血を甘んじて浴びた 指先もすっかり血に染まったので 食事の間も 散歩の最中も 鉛袋を抱えたように気が重く こんなことなら乙女を引き裂いて無かったことにはできまいかと思い巡らせた ふと自分は一体いまどんなに悪人づらをしているのかと不安になって鏡を覗いた 白けた鏡面のざらついた光の一枚向こうに 黄ばんだ頬からなだらかに広がる青白い顔をみた ふたつ

          乳歯、乳歯、永久歯

          わたしの乳歯は のんびり屋 ちいさいけれど 根は太く 絶妙な硬さと形状で 肉も骨もしっかり砕く けれどもね やっぱりちいさいものだから 顎が大きくなるにつれ スカスカ隙間があいちゃって 噛むにも 飲むにも 喋るにも ちょっと不便になってきた わたしの乳歯が 一本抜けた さいなら言って ぽろっと抜けた あんなに鋭かったのに 落ちたらちんけな粒だった そのあとも あちこち続けて抜けていき 歯肉が風になでられて スースー寒い気持ちになって 噛むのも 飲むのも 喋るのも 前よりもっ

          乳歯、乳歯、永久歯

          宇宙(詩)

          あるとき わたしは ただ ゆりかごをさがして 宇宙をただよう光の そのひとつぶに なりたい なりたくて なりたくて 光のまねごとをしてみては かがやく群れに まぎれこみ 目がくらんで転けたりしている あるとき わたしは ただ ゆりかごをみつけて 宇宙をさまよう光の そのひとつぶを やめたい やめたくて やめたくて 逃げ道ばかりさがしてまわり 石ころみたいに かたくなり ポンと遠くに蹴られたりしている 宇宙の光はむずかしい なるのも やめるのも 楽ではない 傷だらけの穴

          この街(詩)

          あの月は 昔に死んだ誰かの骨でできていて 星屑は そのとき流れた涙の塩の結晶です それらが照らすこの街で 罪という名の他人の荷物と 罰という名の他人の悦を ガラガラ引いて 皆歩くのです 黒煙を吐き出す工場で おびただしい数の人影が 休む間もなく勤しんで ゴム製の胃袋を造り続けますが それでもいつかは口を失い 爪も瞳も背骨も失い 影すら失い 風が荒野を吹き抜けるのです 嗚呼、美しきこの街よ いまはまだ忙しきこの街よ

          この街(詩)

          ふるさと(詩)

          大したところじゃないんです 春の風がなでる川面に ふたこぶ山が揺れながら トンビのうたをうたうだけ 大したところじゃないんです ラジオ体操へ行く弟が 青くさい朝靄 肩にかけ 眠たそうに振り返るだけ 大したところじゃないんです さみしい犬の遠吠えに 紅葉の葉っぱが震えては ひとひら ひとひら 舞い落ちるだけ 大したところじゃないんです 石油ストーブのにおいがついた ほんのり温い手袋と 白い道を歩くだけ 大したところじゃないんです わたしの愛したふるさとは 大したところじ

          ふるさと(詩)