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愛の実験(詩)


フルーツパーラーで
美味くも不味くもないバナナパフェを頬張りながら外を眺める
通り一面を額に収めたような大きな窓の向こうでは
絶えず人が行き来して
浅瀬の魚群を思わせる

わたしも魚だとして
パフェのクリームを口へ運ぶ魚とは
一体どんな魚か
標本のような目玉の奥がこんなにも熱く
捻じ切れそうに震えているとは
一体どんな魚か

それではあの人はどんな魚か
枯れた海に水の幻をみせるほどしなやかな長い尾鰭を持つ魚か
だとすれば風船のように膨れた腹にてらてらとはしった光は
尾鰭の先まで流れ
そこでぱたりと燃え尽きるのだろう

下から見上げるわたしは
その光に触れようとして
腹を裂いてしまうかもしれない

あなたの腹から溢れでるのは
生臭い糸屑のようなはらわたか
はたまた美しい青いあぶくか

しかしそれを試してはいけない
したがって愛も試してはいけない

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