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健心
2020年4月4日 17:25
薫さんのマンションはうちからさほど遠くなく、歩いても二十分ほどのところだった。一人暮らしとは思えないほど広くて、家具もモノトーンで落ち着いたデザインだった。物はあまり持たない主義なんだろうか。生活に最低限必要なものしかないからか、広い部屋がより一層広く見えた。「暑かったねー。優季ちゃんアイスティーでもいい?コーヒー切らしちゃってるの忘れてたの。」薫さんはエアコンの温度を下げながらキッチン
2020年4月4日 15:24
彼女は何を見ているのだろう。海の見える小さなカフェ。必ず毎週土曜日の同じ時間に窓際の同じ席に座って。スマホを触るでもなく本を読むでもなく、いつも窓の外の同じ方を見ていた。年の頃は三十代くらいだろうか。いつもデニムにTシャツとシンプルな服装だったが、どこか洗練された大人の女性の気品をまとっていた。綺麗な人だな・・芸能人の誰かに似てる気がするんだけど、何だっけ・・あのドラマに出てたあの・