大酒飲みがお酒を自粛して初めて気づいたこと
昔から無類の酒好きで、特に日本酒がお気に入りだ。
また、昔会社の勤務評定で「非常にお酒に強い」という欄に〇がつき、いくら飲んでもつぶれたことがなかった。だからたぶん普通よりはお酒に強いと思う。
しかし、去年起こった2つの出来事をきっかけに、今はほぼお酒を飲まない生活をしている。
生まれて初めて酔いつぶれた
1つは、生まれて初めて酔いつぶれたことだ。
大晦日の夜、私はすでにストロングハイを750mlも飲んだ状態で、息子と2人で吟醸酒1升を開けた。今まではその程度なら全く平気だったからだ。
ところがその日は急に気持ち悪くなり、毎年欠かさず行っている2年参りを見送るほど酔いつぶれてしまった。
その時の状態や、酔いつぶれた事実にショックを受けたことは今でも覚えているので、多分記憶までは失っていない。
それで以前より酔いが回りやすくなっていたことに初めて気づき、これまでと同じペースで飲めないと思った。
血液検査でアミラーゼが異常値だった
とどめとなったのは、胃カメラ前の血液検査の結果を見た時。膵臓疾患に関するアミラーゼが正常値を大きく超えていたのだ。
主治医は「この程度なら問題ないよ」と言ってくれたが、チキンな私は「膵臓の病気では?」と恐れた。ちょうどその頃、膵炎からの膵臓がんで亡くなった知り合いの葬式に出たばかりだったからだ。
そんなわけで、あれほど好きだったお酒を飲むのが非常に怖くなり、1滴も口にしたくなくなった。
それから1年が経ち、アミラーゼの数値は正常に戻ったが、今もほとんどお酒を口にしていない。付き合いで一口程度は飲むようになったが、それ以上すすめられた時はきっぱり断っている。
節酒後に夫から受けた「アルハラ」
急に晩酌に付き合わなくなった私を夫は大変気に入らなかったらしい。お酒を強要し、飲みたくない私とたびたび喧嘩になった。
明らかにその行為はアルハラだった
もし夫が私にするように他人にアルハラしているなら許しがたい。そんなことをすれば夫自身のためにもならない。
だから毅然とした態度で飲酒の強要を断り、容赦なく夫のアルハラを糾弾した。おかげでたびたび険悪な空気になった1年だったが、逆にそれが飲酒自粛への強いモチベーションになった。
どんなに強要しても頑なに飲まない私を見てあきらめたのだろう。ようやく夫は飲酒を強要しなくなり、飲まない自由を認めるに至ったようだ。
初めて下戸の気持ちがよくわかった
そのことを機に、大酒飲みだった私は生まれて初めて下戸の気持ちがよくわかった。飲めないお酒を飲むことを強要される苦しみは、単にお酒を飲まない私の比ではあるまい。
それにしても、飲めばたやすく酔いつぶれる下戸の人は、どんな気持ちで会社の飲み会などに参加しているのだろう? 周囲が飲酒を強要しない人だけならそれなりに楽しめるだろうが、そうでなければ苦行以外の何物でもないだろう。
そのように飲酒を強要する文化は害悪でしかないと、今さらながらに気づいた次第だ。
社会は「飲まない自由」を認める方向に動いている
最近は、若い人がいわゆる「飲みにケーション」を嫌うという話をよく耳にする。また、夜遅くまで飲んで次の日の仕事に差し障らないよう、ランチミーティングが開催される会社も増えているのはいいことだ。
その背景には、飲まない自由を尊重する社会的な変化があるに違いない。もっとその変化が大きくなればいいと思う。
「お酒は少量でも有害になる」という研究結果も
飲む自由もあれば、飲まない自由もある。これまで飲めない人が不利な立場に追いやられていたこと自体がおかしな話だ。その点、今の流れはかなりいい方向に行っていると思う。
また、最近の研究では、「お酒は少量でも有害になる」という結果が出ているので、飲める人もあまり飲まない方が健康にはいいかもしれない。
以上です。元大酒飲みが、お酒を自粛した後に考えたことをまとめてみました。
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