「ヘルプが出せる」その次に目指すものは?

わたしはプライベートでは、
重度知的障害で自閉症スペクトラムの19才の息子の母です。
地域の小学校の支援級から支援学校を経て、現在生活介護事業所でお仕事をさせてもらったり、余暇活動をしたり、楽しくやりがいもある日々を送らせてもらっています。

そんな息子、
当然不器用だし、なにかとできないことやわからないことだらけです。
お出かけも留守番も一人ではできません。(できないというか、本人にはそんな自覚は全くないので何を突然思いついてやってしまうか予想がつきません)

お絵描きしては「こんなじゃない」と泣いてパニックを起こし
できないことに消極的になりがちで
うまくできなくて怒ったり
伝えられなくて泣いたり
少しのストレスで怒りを爆発させたり
または何もかも投げ出したり

いろんなことがありました。

今はもうある程度安定している時期なので、今の息子はこんな感じ、ということがお伝えできたらなと思っています。

・・・

先日一緒にスーパーに行き、大好きなパインの缶詰を買いました。

今日の昼間、それを食べようと思い、
「これはあの、切るやついるなあ」と心の中で思ったのでしょう。

引き出しから缶切りを探してきて、いろいろ試行錯誤したものの、どうするんだっけ?とおもったようでした。

そこで、缶と缶切りを持ってきて
「お母さん、あける〜」
と伝えてきました。

「あー、ここにかけて、こう持ってこうするねん」

一緒に持ってみて
「ここでぐいって(力入れると)開いたね」

息子も、なるほどと思い、自分でやってみました。

「開いたー!」

そのあと、適当な大きさのタッパーを出してきて入れ、
美味しそうに食べていました。
全部は多かったみたいで、残して蓋をして冷蔵庫へ。

・・・

障害をお持ちの方や、コミュニケーションに困りのある方には、

わからない時やできない時にヘルプが出せるように教えていってあげよう。

これ定説です。

ヘルプを出して、結果として「言って良かった」という結果がいつもついてくると、ヘルプの行動は強化され、定着していきます。

つまり、ヘルプを出したら、快くなんとかしてもらえて助かった!

という経験の積み上げが大事ってことですよね。

しかし!

わたしは、ここまでで満足して欲しくないと思っています。

もちろんヘルプの定着が最優先ですが、
その次に、

「教えてもらったらうまくいった。自分でできた!是非自分でやりたい!」

を育むことをして欲しいと思います。

これが定着すると、
今日の息子のように
「お母さん、やって」ではなく、
「お母さん、どうやるんだっけ?教えて」
になります。

この定着のためには、最初のやり方支援がわかりやすく、すぐ上手くいくこと。

全部やらせようとすると失敗することが多いので、かなりお手伝いしてあげて良いのです。

自分でなんでもやってみようとする姿勢は、
彼の人生を楽しくプロデュースしてくれているとおもうのです。

その先の仕事にも、かなり響いていきます。
だって、やる気がありますからね。
そして、素直に教われますからね。
当然成果ついていきますよね。

是非、ヘルプで終わらないで、その先目指しましょうね。

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