ダレーシアの華麗なる一日

スタディ・ルームの前で、5ショットくらい撮って、やっと一枚見せられるものを撮れました。どうも、ナルシストです。

今日の夜の話から始まります。

宿題を当日の0時4分に開始し、中だるみし続けながら、3時くらいに完成したものの、タクシーがなく、帰れないという絶望感に襲われていました。

まぁ徹夜くらいどうってことないか、と思い、スタディ・ルームにいたら、謎の電話がかかってきたので、恐ろしくて電話を切りました。

そうすると、”I am here.” (僕はここだよ)というメッセージが届くではありませんか。鳥肌が立ちましたが、いちおう誰か聞いてみました。

「ウーバだよ」

ウーバって、誰? 乳母?
と思ったら、タクシーが目の前にやってきていたようです。どうやら気づかぬうちにウーバを呼び寄せていたようです。

ボルネオ島でのPBLのキャンセルで絶望感に打ちひしがれていた私は、寮に帰れる喜びで全身が一気に幸福感で満たされてゆきました。

「あたしって、幸せもの」
ウーバの車の中から見る景色が、すべて輝いて見えます。

朝。
やっぱり授業に間に合うバスには乗れないのです。10時40分のバスでないと間に合わないのに、10時45分にやっと準備が整うのです。

でも、大丈夫。
私にはウーバがいるから。

他のクラスは30分の遅れなんて遅刻にもならないけれども、さすがに個別指導のプロフの授業に遅れるのは失礼です。

私は11時3分にプロフのオフィスに到着しました。

しれっと「昨夜、メールで課題を送りました」と言ってみました。厳密に言うと今日の夜明け前ですが、昨夜と言うと、ちょっと早めに提出した感じが出ますね。

プロフは、私のメールが見つからないのでイライラとし始めました。私の提出がギリギリなのは全然なんとも気にならないらしいです。

でも、「にんげん」だもの、イライラするときって、あるよね?

でも、帰るときに、タミル語で “Nandri” (ありがとうございます)と言ったら、ごきげんナナメのプロフも笑顔になりました。

終わり良ければ全て良しという格言を体感できました。

次の授業のあいだまでに寝てしまいそうだと思ったので買い物に行きました。
そう、いちおう、面目上、この写真は私の顔を映すために撮られたものではないのです。帽子を見せびらかすためです。

「ピンクのりぼん」と言いましたが、ありませんでした。
でも、結果、それで良かったと思います。もうピンクのりぼんが似合う年齢ではないのですから。

私は、毎日毎日柑橘系のフレッシュ・ジュースを飲むことで有名です。今さら美容もくそもありません。ただただ、酸で体内を刺激したいという欲望を満たすためです。

それで、パイナップル&レモンのジュースを頼みました。

店員がパイナップルの臭いを嗅いでいます。まな板が黒ずんでいます。でも、今さらもう何も気になりません。

カットするのに15分はかかったでしょうか。私なら3分でやります。日本人ならブチ切れること間違いなしです。

でも、いいんです。私の他に客はいないのですから。私の時間が消費されるだけです。

途中で女の人がやってきて、驚いた顔をして、マレー語で何か言いました。ジュースの味見をしたので、私の推測ですが、

「レモン2個って、多くね?」

ということだと思います。いいんです、いいんです、私はレモンを丸かじりする女ですから。

「サンキュー」と言って、ジュースを持ち上げると、どばどばどばっと足にジュースがぶちまけられました。

「あ・・・・・・・・・」
店員と、私の間に気まずい沈黙が流れます。


「アハハっ」
わたしは笑いました。

それでも、店員は微妙な表情をしています。

「えへへっ」
私は笑い続けました。

もう今さら怒るも困惑するも何もないのです。想定外が日常なのですから。

私は溢れたジュースを一人で拭き取りました。
「ああ、これは日本人らしさだろうなぁ」とか思いながら。

日本人の店員だったらすっ飛んできて拭き取り、新しいドリンクを作るでしょう。でも、私はそういうことを求めるつもりで言っているわけではないです。ただ、違いを述べているだけです。

彼女はとても申し訳なさそうな顔をしてアタフタとし続け、私がほとんど拭き取り終わった頃に「そのままでいいですよ」と言い、でかいティッシュを持ってきました。

これは、申し訳ないと思いつつ、うろたえて考えて、彼女が出した結論だろうと思います。

そして、彼女は私のカップに、もう一枚カップを重ねました。

「どうして、ジュースが溢れたのかしら?」
私は聞いてみました。

「カップの底が破れていたのです」

マジかよーーーーーーーーーーーーーーーw
プラスティックで破れているとか見たことねぇw

ああ、これは貴重な経験だったんだなと思うと、また一つ経験値が増えたような気がして、気分がよくなりました。

「あらそう。ありがとう」
と言って、私は微笑を浮かべて去りましたが、彼女は最後まで申し訳無さそうな顔を崩しませんでした。

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