枯れてなくとも水平思考!Nintendoはじプロ音楽演奏にどうぶつの森で光サイネージ
今回は私の話ではなく娘の話なのです。一家そろってどこか斜め上の方向を向いている我が家はクリエーティブも皆それぞれ。良く言えば個性あふれる家族、悪く言えばどこに飛んでいくか分からない浪漫飛行、それが我が家でございます。ということでいつもは私の部屋を映しているキャメラですが、今日は趣向を変えてリビングを映してみましょう。
1.「ナビつき!つくってわかるはじめてゲームプログラミング」で「夜に駆ける」(YOASOBI)を演奏してみました!
タイトル通りでございます。これは動画を見てもらった方が早いでしょう。
「Nintendo Switchでプログラミングが学べる!」ということでnoteでも多くの方が記事を書いていらっしゃる話題作「ナビつき!つくってわかるはじめてゲームプログラミング」。
その命令機能のひとつである「音を鳴らすノードン」が#(シャープ、半音上げる)♭(フラット、半音下げる)に対応しているばかりか、「定数ノードン」を使用することで数オクターブに渡る音階に対応することに着目し、これらを駆使しまくった結果、ステージを走って行くだけで音楽を演奏する自動演奏装置が誕生してしまったというワケです。
しかもこのゲーム?は2人同時プレイに対応しているため、主旋律と副旋律のステージを別々に作って同時演奏にも対応するという念の入れ用。
夜のステージを走っていくので、文字通り「夜に駆ける」。ほぼサビの部分だけですが、ラストまでたどり着くと花火が上がります(それ以上はノードンの使用可能個数が足りなくて無理なんだそうです)。
私もプログラミングを多少やるので、このソフトについては語りたいことがたくさんあります。が、ここまでのものを作られたんじゃ私が何か言うのは野暮ってもんでしょう。これはもう考え付いた娘が偉い。と親バカに徹し、私はSwitchを尻目に見つつこれからもIchigoJamとRaspberry Piを抱きしめて生きていこうと思い直した次第でございます。
2.「あつまれ どうぶつの森」のとある場所に存在する、光を利用したサイネージ
これも娘の手によるオブジェクト。とりあえず動画を見てもらった方がいいのですが、こちらは若干説明が必要かも。
これはキャンバスに描かれた光の輝きの絵なのですが、不思議なことに光の輝きが大きくなったり小さくなったりするのです。ホントにっ!?と思った方はぜひ何度か見てみてくださいな。
ただの絵なのになんでこんなことが起きるのか。そのカラクリはここの森で上空を通過していく雲にありました。雲が通り過ぎると必然的にその真下が暗くなるのですが、この絵は外周部がギリギリ見えるか見えないかくらいの暗い諧調で描かれているのです。その結果、雲が近づくと暗く描かれた部分が消灯し、雲が遠ざかると点灯するという、まるでセンサーライトのような看板が出来上がるというわけです。その発想は流石デジタルサイネージ屋の娘だけのことはある、と言っておきましょう。
枯れてなくとも水平思考!
ところで、任天堂には昔から語り継がれている有名な言葉があります。それは故・横井軍平氏(存命時は任天堂の開発部長)による独自の哲学を表した言葉「枯れた技術の水平思考」というものです。
「枯れた技術の水平思考」とは何か。ひとことで言うと「ある目的のために作られ、既に使い倒されて古くなった技術をまったく別の目的に活かす」という思想で、横井氏の退職後も任天堂製品の一部に脈々と流れていたとされています。有名な例としては「電卓」(枯れた技術)からその液晶表示技術を応用し、「ゲームウォッチ」(水平思考)を生み出したエピソードが最もよく語り継がれています。その他、同じ任天堂の例としては、光線銃(太陽電池をセンサーとして利用)、十字キー(ゲームウォッチからファミコンに流用しコストダウンを実現)、ニンテンドーDS(既存のタッチパネル技術を転用)などが挙げられます。任天堂以外で例を挙げるなら、電源ランプやサイン、照明用途などで使用されるLEDを作物栽培に転用している例もそれに加えていいかもしれません。
あまりにも名言過ぎて我が国のことわざにしたいくらいなのですが、今回のこれだってそう言えるんじゃないでしょうか。
「ゲームを作るためのソフト」→「音楽演奏に」
「画像を作るための機能」→「光る看板に」
でもこれは、そんな風に本来の機能・目的から外れた使い方をしてもそれに余裕で応えられるくらいのポテンシャルをソフトが持っているから実現することができたわけで、そう考えると横井軍平氏が亡くなられた後も任天堂の中にその精神が脈々と生き続けているんだなぁと、娘の作ったものを見てあらためて感じ入った次第です。
最後に「ミートピア」
ちなみにいま娘が遊んでいるのは、これまたNintendo Switchにて発売されている作品「ミートピア」。
本作は物語の登場人物(主人公たち、脇役、敵役、大魔王にいたるまで)を名前から服装から顔からすべてエディットすることができるRPG。よくある遊びかたは自分の周囲の友人や家族たちをゲームに登場させることですが、娘のプレイングはこのような感じです。
「クラシカロイド」というアニメのキャラを再現したんだってさ。歌苗(かなえ)にベートーベン、モーツァルト、シューベルト…まぁそれなりに似ているのでは。
モンタージュのように髪型(ウイッグ)や目、まつ毛、アイシャドウ、チーク、口紅、まゆ毛といったパーツを組み合わせ(メイク)てキャラ(Mii)を作っていくのだそうです。
私がやっていた「ブラックオニキス」(1984年、BPS)と比べると隔世の感があるなぁ…。あの頃は髪型が変えられるだけで凄かったんだいっ。
ということで、娘の願望をここに貼り付けて今宵はここまでにて。
三期行なわれると良いですね。