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音楽から入る「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」へのいざない

「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」オーケストラコンサート2021という交響楽団によるアニメ音楽イベントが先日8月14~15日にかけて開催されました。アーカイブ配信が8月29日(日)23:59まで行なわれております。

結論から言うと「恐ろしく素晴らしい音楽体験なので、ヴァイオレットにもアニメにも全然興味なくともぜひ見てみて。8月29日配信終了までに!」というのが本記事の主旨でございます。

てっとり早く音楽に関する記事を読みたい方は、目次より飛ばしてお読みくださることをお勧めします。


「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」とは

アニメをある程度見る方であれば「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」はもはや説明不要のコンテンツと思いますが、そうでない方には多少の説明が必要でしょう。

もともとは暁佳奈(あかつきかな)原作の小説であり、第5回京都アニメーション大賞小説部門で大賞を受賞してアニメ化への運びとなったものです。美術的なクオリティが極めて高いことや、ほんの少しノスタルジックな戦後的世界観、感動と共感を呼び覚ます物語などにより、多くのアニメファンに愛されました。

物語をざっとかいつまんで説明すると、戦争中に拾われ、殺人兵器として育てられた少女ヴァイオレットが、その戦中に両腕を失い義手となりながらも戦後に自動手記人形という仕事(手紙の代筆業)に就き、社会の中で成長していきながら、自身の育ての親代わりであったギルベルト少佐より残された言葉「愛してる」の意味を探していくお話しです。

これの劇場アニメは2つ出ております。最初に出たのが「ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 - 永遠と自動手記人形 -」。アニメ作品の後の出来事であり、とある事情で引き離されてしまった姉妹の繋がりをヴァイオレットの提案により手紙で取り戻さんとするお話しです。

そして「劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン」。戦場の殺人兵器から手紙の代筆業への転進という数奇な運命をたどった主人公ヴァイオレット・エヴァーガーデンとその傍らにいた「あの人物」との人生に決着が着く様を描いた物語です。見るのに何枚ものハンカチが要ると言われています。

この映画は2020年の9月18日に公開され、2021年1月の時点で興行収入21億を突破しております。2020年のアニメ映画ランキングでは4位にあたるとのこと(しかも本日8/20現在、いまなお公開されている劇場もあります)。制作会社である京都アニメーションは例の放火事件により社屋・社員含め多大な犠牲を出しましたが、残されたスタッフたちがそれを乗り越えて公開までこぎつけた作品です。

主にアニメ作品を中心にざっと説明しましたが、とにかくヴァイオレットの壮絶な過去、それを乗り越える葛藤、そして成長したヴァイオレットが繋いでいく新たな絆、「愛してる」の意味…どのエピソードを取り出しても、涙無くしては見ることができない作品群なのです。


結局どれから見るのがいいの?

「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」をいまから見ようと思ったら、一番いいのはアニメ作品を第1話~第13話(+Extra?)まで順繰りに見てもらうことなのですが、現時点で放送中のものじゃないので、Netflix(月額契約)で見るかアニメ版の円盤を買うしかないんですよね(またはレンタル?)。「絶対感動するからぜひ見てみて!」って言うにはちょっと視聴するまでのハードルが高いです。

小説は?もちろん原作ですからオススメなのですが、登場人物やその立ち位置、物語の内容がアニメ版と一部異なっており、感動はするのですがアニメと同じというわけにはどうしてもいきません。

(つーかAmazon何でこんな値段するの?プレミアでもついた??)

映画は?前述した通り「劇場版」と「永遠と自動手記人形」がありますが、どちらももとのアニメの内容をベースにした続編と外伝ですので、できれば先にアニメを見といた方が良いは良いのです。
私的な見解を言えば、外伝の「永遠と自動手記人形」の方がゼロ知識からでも楽しめる(泣ける)と思います。ラストで聴く「エイミー」(茅原実里)はもう本当に涙が止まりません…(泣)。

ということで。
うーん、さぁどうしましょうね…。

と言ったところで、いよいよこの記事の本題に入らせていただきます!!

(ここまで前置きかよ!とおっしゃる気持ちもよく分かりますが、そもそもこの作品は語るべきことが多いのですよ…)

「音楽」だったら、てっとり早く「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」の世界に入れるんじゃない?

ということで、冒頭にも書いたこれ。


「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」オーケストラコンサート2021

8月14日~15日にかけてLINE CUBE SHIBUYAにて行なわれた、ライデンシャフトリヒ交響楽団による演奏と、


石川由依(ヴァイオレット役声優)
TRUE
(主題歌)
茅原実里
(主題歌)
結城アイラ
(主題歌)
Evan Call
(作曲・編曲)

による生演技&生歌で表現される「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」の世界!!

オーケストラによる圧倒的な音響体験の真っただ中、そこに断片的に映し出される本編、外伝、劇場版のシーンの数々。

時折挿入されるヴァイオレット役の声優、石川由依による生台詞(感動)。

刺激される想像力。沸き上がる物語への回想。

そして3人の女神たちによる各主題歌の絶唱が、この世界に息づく者たちの存り方を、想いを、言葉で以てより鮮明に浮かび上がらせてくれます。

その歌声は清涼にして激しく、時に神々しくすらもあり。

交響曲と一体になったハーモニーが脳を突き抜け、心の奥底に直接響き渡るその体験は、とても記憶を紡いで言葉にすることが叶いません。


配信を見終わって、私は呼吸することすらも忘れていたかのような心持ちに襲われました。
息を飲む、とはまさにこのことです。


(▲ハートカンパニーの斎藤代表によるコラムもぜひご覧ください。ステージの状況がプロデュースの立場から記されています)


そして、少し落ち着いた後に思ったのです。

これ「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」をまったく知らない人が見た方が、かえって想像が増してアニメや映画も見るのではなかろうかと。

普通はアニメ作品にどっぷり浸かった者がこういう副次的なイベントを楽しむものなのですが、そこをあえて逆にしてみたらどうなるか。

「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」オーケストラコンサート2021。

この音楽から入る、「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」へのいざない
              
            。
それもまたいいんじゃなかろうか。

そこでアニメや映画の視聴に至らなかったとしても、この配信を視聴された方は間違いなく「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」の世界に片足を突っ込んだことになり、ほんの少しだけでも心が豊かになれるのではないかと、そんな風に、私は確信しています。

私にしては回りくどくグチャグチャと書きましたが、つまるところ、

これ読んでほんのちょっとでも気になったなら配信見てね8/29迄!!

ってことです。
配信終了まで今日(8月20日)からあと1週間ちょいです!!

特に石川由依さん、TRUEさん、茅原実里さん、結城アイラさんのいずれかにご興味のある方、Evan Callさんどんな人か見てみたい方はこの機会を見逃さないようにしましょう。光陰矢の如しです。


8月29日以降、アーカイブ配信終わったあとはこちら!

「配信期間中は結局見逃しちゃったよ…」
まぁそういうこともあるでしょう。
そんなあなたには、こっちをお勧めしておきましょう!!

アニメ『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』ボーカルアルバム「Letters and Doll ~Looking back on the memories of Violet Evergarden~」 

このアルバムはヴァイオレット・エヴァーガーデン役の石川由依さんがアニメ本編や外伝、劇場版の世界観をモチーフにした楽曲を歌っているボーカルアルバムです。曲によっては話の内容が割とストレートに歌詞に反映されているため、むしろこっちの方がすんなり物語に入り込めるかも。

どれも良いっちゃ良い曲ですが、私的には1曲目の「Colored Memories」が主人公ヴァイオレットの在り方、生き様、想いをこれ以上ないというくらい表現しきったという意味で特に強く印象に残る作品と感じます。


これを聴いて、さらにヴァイオレット音楽の世界に興味を持ったあなたにはこれらもお勧めしておきます。
YouTubeより「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」主題歌特集!!


Sincerely / TRUE(アニメ版主題歌


WILL / TRUE(劇場版主題歌

未来のひとへ / TRUE(シリーズ全体のフィナーレ曲

The Songstress Aria / TRUE(Extra)

Letter / TRUE(Extra)

みちしるべ / 茅原実里(アニメ版主題歌)

エイミー / 茅原実里(外伝主題歌)

Believe in... / 結城アイラ(#9エンディングテーマ)

結城アイラ / Violet Snow(PV、#13挿入歌)

最後は全部YouTubeの紹介になってしまいました。

これらの音楽をまず聴いて、それからアニメや小説に入っていく。

「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」の楽曲はどれも優しさに満ちているから、そんな入り方も、きっとありだと思うのです。

ということで、いまからでも遅くはありません。心温まる素敵な演奏や楽曲を見つけたら、「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」の世界へぜひ。

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