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そうだ、プロットを書こう#1

あじさいの花が色づき始めましたね。
今回の記事からの方ははじめまして。前回に引き続きの方はこんにちは、良い夜ですね。
本を読むことがちょっとだけ大好きな花外です。
このnoteは長編初心者が200ページの文庫本同人誌(原稿用紙換算300枚、文字換算12万字)を作る、という目標を達成するまでの記録としてPixiv FANBOXと共に始めました。今日も本をつくるという山へ登る道すがら四方山話を綴っていきます。
前回のnoteはこちら。

前回はハリウッド式三幕構成を取り入れてを構成力不足を補いつつ、限られた文字数でプロットを書き、段階的に文字数を増やしていくことで、4万字から6万字のプロットを書いていこう、と道筋を立てたところまででした。

最終的なゴールは12万字書くこと

 作家は二つのカテゴリーに大別できます。アウトライン派と非アウトライン派、あるいは執筆前にプロットを作る「プロッター」と、つくらない「PANTSER(パンツァー)」。パンツァーとは「計画を立てず、勘を頼りに作業する= SEAT OF PANTS 」というイディオムからきています。

アウトラインから書く小説再入門 K.M. ワイランド

こんな文章から始まる『アウトラインから書く小説再入門』、私が繰り返し読んでいる本です。
私はnoteを始めるまでは、パンツァー(瞬間湯沸かし器執筆スタイル)でした。ところが、長編を書く事になって、私はパンツァーからプロッターへと転身する必要がありました。もしかしたら、10万字を日頃から書いている方の中には、パンツァーのままで手探りで10万字を書ける方もいるかも知れません。ですが、長編初心者の私が10万字以上の小説を書ききるためには、プロットというロードマップが必要不可欠なはず。
ところが、それまで簡単なあらすじのような短編プロットしか書いて来なかった私は、はじめ長編プロットをどう書いたらいいのかわかりませんでした。

私が今まで書いていたプロットはラフスケッチ

では、私が短編を書くときに書いていた短編プロットはどのようなものだったのでしょうか?それを今一度振り返ってみたいと思います。
私が短編のプロットとして書いていたものは、脳内イメージのラフスケッチのようなものだったのだと思います。
私の妄想、色付きの映像で頭の中に浮かびます。これまで書いていた短編プロットは、思い浮かんだ映像をそのまま文字に書き起こしたものでした。
これまでの私は、脳内に浮かんだイメージをなぞるように文字に書き起こすことに必死で、構成を考えたり、前後の関係を考えて再構成したりする余裕がありませんでした。脳内イメージ止まりで、紙に書き出すことが少なかったので、脳内イメージを元に書き出したプロットが完成形のように思えていました。だから、再構成したりできるものという認識もありませんでした。
ですが、実際に脳内イメージを上に書き出して、俯瞰したり時間を置いて読み返してみると、完成形(理想形)から程遠いこと……。

ラフスケッチからから短編プロットへ

以前書いた短編のうち、7000字弱になった作品は、ラフスケッチを再構成したプロットを元に書いたものでした。
数シーンのラフスケッチをベースに、数ヶ月かけて「このシーンに至るにはどのようなプロセスが必要か」ということを考え、後付してストーリーが成立するように再構成してから、文章を書き出しました。
この経験が、おそらくプロットらしきものを書く感覚を掴みかけた一番最初の体験のような気がします。
まだこれがプロットの書き方の正解かどうかわかりません。
いままで、いろんな「小説の書き方」の名を冠する記事や本を見てきましたが、プロットをどう書くのか、具体的なプロセスは見つからなかったんですよね。だから、ここから先は手探りでやっていくしかないところなのでしょう。

短編プロットから長編プロットへ

長編プロットは短編プロットに波をつけ、長さを約8倍にします。
長さを約8倍にする、はともかく、波をつける、と言われてもどうすればいいのでしょう?結構いろんな本に、この波という表現がつかわれていましたが、私にはその説明が抽象的すぎてピンときませんでした。三幕八場構成にする(前回のnote参照)と、言われた方が私には理解しやすかったです。
さてようやく長編プロットに手をつけます。
まずは4000字を目指して、一場500字ずつ書いていきます。
と、行きたいところですが、はじめは三幕八場に関係なく、箇条書きにしました。これは私が、一度頭の中の物を全部出さないと整理できない仕様だからです。
プロットを書き起こすことに精一杯だった頃と変わって、書いた文章を整合性を取れるように並べ替えたり、書き換えたりして書くことは新鮮でした。
まずは、4000字を目指して書き出してみたら、筆が進むこと。進むこと。筆の赴くままに自由に書いていきました。
当然、4000字には収まらない。8000字まで膨らませられるかな?と思いきや、6000字弱になったところでキャパオーバーしてきました。頭の中のアイディアを全部書こうとしたら、収集がつかなくなってきたのです。

仕切り直して構成順に書き出してみる

そこで、前回既存の構成、ハリウッド式三幕八場構成を取り入れて、4000字のプロットを500字ずつ書くことにしました。
最初からやったほうが効率的だとは思うのですが、一度頭の中身を出してスッキリしないと物事を整理できない脳の仕様なので順番が前後しました。
(1)場ごとにどんな話になるのかの要約を書いていき、(2)自由に書き出していったものを三幕八場構成に並べ替えます。(3)場ごとの要約と並べ替えた箇条書きを元にして500字ずつ書き出していきました。
全然500字におさまらない!書きたいところまだたくさんあるんですけど!という一場や、絞り出さないと全然書けない、という一場が出てきます。そういうところはまだまだ、構想が固まってなかったり、考える余地があるところなんだな、と気付くことができました。

実際に長編プロット4000字を書いてみて

12万文字分のプロットを作ろう!の第一段階、4000字のプロットが出来ました!
ものすごく感慨深い。
私の小説を書くときの悩みどころって、終わらせられないってことだったのですけれど、三幕八場構成に沿って、書き出していったら、まとまりを持たせてきちんと着地させて書くことが出来ました。三幕八場構成のありがたみを噛み締めています。
長編の物語がどの様に進んでいくのか、ぼんやりでも型がある方が断然書きやすいです。三幕八場の型が全くない状態から手探りで書くのは私には相当難しいと感じました。
とりあえず4000字を書こう、で書いたはじまりの4000字と、長編小説のプロット4000字はやはり達成感が全然違いますね。これから始まっていくんだ、という感覚がします。
また、予想外だったのは、三幕八場構成に沿って作ったつもりが、結果的には前回触れたDKさん(@game_sennin)の汎用ストーリー構成「15セクション」に沿った構成になっていたことでした。主人公の性格上この構成が合わないかな、と思っていたので驚きました。

ここまでの問題を整理

  • コンセプトやテーマの指針になる企画書が書かれていない

  • 構成ごとに書き出すので精いっぱいでキャラの心情が疎かになっている

  • 8000字のプロットに膨らませる前に4000字の長編プロットのブラッシュアップが必要

さて、第一段階の4000字のプロットはできました。
なのに、なぜ8000字の段階に進めていないかといいますと、4000字の時点でもすごーく迷子になりそうになったので、プロットをふくらませる前の段階でコンセプトやテーマを明確にした企画書を書く必要がある、と思ったのです。キャラの心情のブレに関しても、企画書を書くことで整理したいと思います。

私が今書くべきは企画書

三歩進んで、二歩下がる。いまものすごく、長編プロットの続きを書きたくて書きたくてウズウズしているのですけれど、企画書を書いて、もう少し書きたいことを練ってから、8000字にふくらませていきたいと思います。いつもより1000字ほど長くなってしまいましたがここまでお付き合いいただきありがとうございます。引き続き精進して行きますので、今後ともよろしくお願いします。

質問やアドバイスがありましたらお気軽にマシュマロへ。


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