源氏物語を読むならNHK「古典講読」がおすすめ
大河ドラマ「光る君へ」の影響もあり、ひそかな古典ブームが到来しています。
その中でも特に注目されている作品が、紫式部(むらさきしきぶ)の書いた源氏物語(げんじものがたり)でしょう。
今、源氏物語を読みたい、学んでみたいという人にぜひおすすめしたいのが、NHKのラジオ番組「古典講読」です。
この番組は、一つの古典作品を取り上げて、それを読んでいくものです。その今年度の題材が、源氏物語なのです。
解説は国文学者(主に古典文学を研究する研究者のことをいいます)の島内景二(しまうちけいじ)さん。昨年度の古典講読も担当されている、古典文学の専門家です。
朗読は加賀美幸子(かがみさちこ)さん。朗読界では知らぬ人のない朗読の大家です。特に古典文学の朗読といえば加賀美さんというイメージもある、唯一無二の存在です。
番組は、源氏物語を「湖月抄(こげつしょう)」を手掛かりに読み解きます。湖月抄は、俳人として知られる北村季吟(きたむらきぎん)による源氏物語の解説書です。
その湖月抄の解釈と、それから約100年後に、国学者(主に江戸時代に日本の古典について研究していた人々)の本居宣長(もとおりのりなが)の解釈とを対比させながら、番組は進んでいきます。
番組の構成は、①源氏物語本文の朗読、②本文の湖月抄を元にした解説と現代語訳、③本居宣長の解釈、を繰り返しながら、全体を読み進めていきます。
おすすめの利用法は、とにかくこの番組を聞き流すことです。加賀美さんの朗読を味わいながら、島内さんの解説で用語に慣れていく。
本文が手元にないでしょうし、あったとしても理解できないところはたくさんあるでしょう。しかし、そこはあまり気にせず、全体の1~2割を理解できればいいか、という心持ちで聞き流すとよいと思います。
それでも、十分古典の世界、源氏物語の世界を楽しめるはずです。