📖この本で学んだ９つのこと。１３歳から鍛える具体と抽象　細谷功

①ルールを学んで、自分の生活に応用する。

具体的な例から抽象的な考えに進むことは、誰かが既にまとめたルールとして存在している。過去の偉大な科学者や研究者は、実験や考察からルールや抽象的な概念を積み重ねてきたので、それを基にすることで、先人の知識を利用することができる。

②why とhow

Whyは、「手段と目的、何のために必要なのかを結びつけるもの」

How は逆に「目的と手段どうやって実現するのか結びつけるもの」

抽象化の代表例が「Why」という理由や目的を問うことで、具体化の代表例が「How」という実現手段を問うこと。

③本を読むとは「具体⇔抽象」

本を読むというのは自動的に、具体的に書かれた大量の情報を抽象化してメッセージを読み解くことや、自分の身の回りの生活にあてはめてみるという具体化が（意識的あるいは無意識的に）無数にくりかえされることになります。

④歴史上の出来事を抽象化して学ぶ

新しいものを取り入れて、変化は優先させるのか。
昔からの伝統を守って変化しないことを選ぶのか。
自分のグループだけの閉じた世界で解決すべきか。
他のグループをも含めた開いた世界で解決すべきか。
国家で言えば、移民を受けるべきか。
会社で言えば、新しい技術や製品を自社だけで開発すべきか。
他社と共同で開発すべきか。
理想を重視すべきか。
現実を重視すべきか。
グループの活動方針を決めるときに、一般の人優秀で、他社をリードできる人などを中心にして、設計するのか。
1人も取り残さない設計するのか

⑤抽象思考は手を抜ける人

具体レベルでは全て勝ちに行くことが必要になりますが、抽象レベルでは以下に手抜きをするかと言う優先順位の問題が出てくる。
要はステージやシステムをどのように見極めるかと言う視点が抽象レベルで求められる。

⑥ことわざは便利な冷凍食品

ことわざにも具体的に表現されたものと、抽象的に表現されたものがある。抽象的に表現されたものは、それを使う人が具体化して自分ごとにする必要があり、具体的に表現されたもの、私たちがそこに込められた抽象的なメッセージ=教訓を導き出して、自分ごとに応用すると言う手続きを頭の中で実行する必要がある。
こう考えると、諺は冷凍食品のようにも思いませんか。
食べる直前まで加工して冷凍庫に入れてくれている多くの人たちがいるので、それを私たちは困ったときに開けてレンチンして頭の中で解凍（具体化）して美味しくいただくことができる。
もちろん食べ物と同様、生の方がおいしい、自分自身で経験した方が身に染みた教訓となることもあるでしょうが、経験できる事は時間もお金も限られてていますから、先人たちが冷凍庫の中に無尽蔵に蓄えてくれた食料を使わないてありませんよね。

⑦魚を与えるな釣り方を教えよ

釣り方を覚えれば一生困らない。
「わかりやすく、具体的に示してください」と言うのは「すぐ食べられる魚をください」と言うのと同じでもこれだけではその場限りの解決策になってしまい、後につながらない。

受験勉強特に試験を解くためのテクニックと言うのは、誰もがすぐに役立つ飛びつきやすい一方で、いざ入試が終わってしまったら、他の事はほとんど役立ちません。
しかし、同じ受験勉強やっていても、着々と釣り方の側面を磨いている人もいます。それは受験勉強が単なる、短期的な暗記テクニックの習得と捉えるのではなく、物の考え方、目標達成の仕方、時間管理の仕方と言う観点をもち、汎用的で他にも役立つと言う手法と言う観点で取られるということ。
つまり。ここでは受験のテクニックが=具体で、物の考え方が、釣り方=抽象と言う関係になっている。

⑧比較できるのは、物差しが固定しているから

実社会では、ほとんどの問題に唯一絶対の正解などないにもかかわらず、学校を卒業して大空に入れた大人たちの中にも、正解や比較の狭い世の中の価値観から抜けられない人たちもいます。
最もわかりやすい例がネット社会の炎上に見られるやりとりです。
そこでのやりとりの前提は、自分は正しい、間違っていると言う短絡的な正しい間違いと言う価値観であり、マウンティングに代表される自分の方が私より優れていることを示したいと言う比較の価値観です。
比較できるということは、物差しが固定していることを意味しています。
学校で勉強することなど役に立たないという人もいます。これも半分は正しいかもしれませんが、正しいくないこともたくさんあります。それは基礎の反復練習が実践で役に立つか立たないかと問題を控えてみればわかるでしょう。

⑨自由度を上げるための強力な道具

「狭い巣の中」と「大空」との間には大きな違いがありますが、それを一言で表現すると「自由度の違い」ということになります。

狭い巣の中というのはよくも悪くも自由度が低いために、自分で好きな食べものを選べない代わりに誰かが何を選んでくれます。また冒険もできない代わりに、大きな失敗もしなくていいようになっています。

対して「大空」というのは、自分で好きなように人生を歩んでいける反面、獰猛な鷹に食べられたり迷子になったりといったような大きな危険の可能性も潜でいます。

そこでは、狭い巣の中で学んだことが活かせる場面もあれば、そうでない場面もあるかもしれません。狭い巣の中では活躍できた人がそれまでほど活躍できないかもしれないし、逆に狭い巣の中では今一つ活躍できなかった人が、一転して大空では大活躍できる可能性もあります。

何がその明暗を分けるかといえば、狭い巣と大空の違い、つまり「自由度」をどのように活かせるかがその大きな要素を占めます。

この本のテーマである「具体と抽象」とくに抽象化は「自由度」を上げるための強力な道具となります。

まずは「狭い巣」の中で目いっぱい抽象化や具体化という道具を磨き上げ、使いこなせるようにしてください。そうすれば、大空に出ても少しも痛いことはありません。「具体と抽象」という道具は、広大な大空での、みなさんの無限の可能性を広げてくれることでしょう。