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📖この本で孊んだ぀のこず『父芪になるずいうこず 藀原和博』

四人目の子䟛が生たれお初めお読み切った本。父芪ずはいるだけでよい。子䟛の本来埅぀無邪気さや感芚、思考の広がりを劚げない存圚でありたい。読んでよかった。

①たず、父芪は䜕から呪瞛を受けおいるのかを知ら化なければならない

私の䜕気ない劻ぞの態床や息子に芁望するずきの蚀動など、自分の行動がそれらのものにはかり知れない圱響受けおいるこずがわかっおくる。
私は息子をその呪瞛から逃しおやればならないず思った。
逃がしおやるこずが、子䟛の存圚感を匷めおいく。
自分が受けた呪瞛で、さらに子䟛を瞛ろうずするず、圌らの心の䞭で自分に察する自信が匱められおしたう。
だから、父はたず自分が䜕に呪瞛されおいるかを知らなければならない。
父性ずは自分がどんな呪瞛を受けおきたかに気づいた䞊で子䟛をそれから逃しおやるこずではないかず思えた。

②子䟛の個性を抑え蟌む぀の呪文

日本にいた時、知らず知らずに連発しおいた蚀葉
「早くしなさい。」「ちゃんずしなさい。」「いい子ね。」
この3぀の蚀葉の䞉重奏は、子どもの個性を抑え蟌んで、みんないっしょくたのステレオタむプを育おる。
玠盎できちっずした“日本の均質のサラリヌマン”を぀くる。そんなおたじない効果を持っおいる。
朝、玄が靎をはくのに手間どっおいれば、「早くしなさい」が出おしたう。垰っおくれば「早く手を掗っおきなさい」ずきお、倜は倜で「早く、歯を磚きなさいヌ」ずなる。
その間にも無数の「早くしなさい」が飛び亀っおいる。

③手段ず目的、目暙ずプロセスが垌薄なのが幌児

幌児の時間は倧人の時間よりもゆっくりず流れおいる。
倧人には目的ず手段がはっきりしおいる。
朝にはこれから仕事をするのだから、゚ネルギヌを補絊するためにご飯を食べる。あるいは9時たでに䌚瀟に行かなければならないから早く支床をする。遅れそうなら、パン1枚だけ混じっお卵やハムを諊めるやコヌヒヌだけで枈たしたりもする。
䞀方、幌児には目的ず手段や目暙ずプロセスの区別が垌薄だ。
䜕のために䜕をするかずか、い぀い぀たでに䜕をしなければいけないず蚀う感芚は本来ない。
孊校が面癜ければ孊校ぞ行きたい。午前䞭授業乗り切るために今食べおおきたければなどずず思っおいない。孊校ぞ行く途䞭にもっず面癜そうなこずがあればそっちの道草で1日䞭でもいるだろう。
面癜ければ腹も枛らない。

④「いいこね」は子䟛を統合倱調症に远いこむ呪文

「早くしなさい」を連発しお、無条件に反射する子䟛を育おようずする。口答えしようずするものなら匵り倒されるのがオチだろう。「早くしなさい」の呪文を1日10回20回ず繰り返されお、将来明らかに産業瀟䌚の生産性向䞊に貢献する。私たちは無意識に物事を早く凊理する子を育おおいる。
「ちゃんずしなさい」。お客様迎えた時やこちらが招かれお友人の家に呌ぶれた堎合、぀たり人前で出やすい呪文だ。子䟛は普通これを蚀われるず、ずにかく䜕か泚意されおいるんだず緊匵するから質問を返す事は無い。でもちゃんずするずは蚀ったらどうするこずなのか、䞀旊芪自身も定矩に、窮するほど正盎蚀えば意味䞍明だ。ずにかく瀌儀䜜法を守るべしず蚀う類の蚀葉になる。
ここでも私たちは無意識に子䟛たちを平均化し、暙準化しようずしおいる。ちゃんずする子䟛は、垞に他人の期埅に応えようず察立性を重芖しお、なるべく自分を平均化しようずするんだろう。そしお自分自身の個性をすり枛らしお生きるこずになる。
「いいこね」ず蚀う耒め蚀葉にも同じタむプの呪文がよっおいる。これを蚀われれば蚀われるほど。子䟛は良い子になるずする。
芪の期埅に応えようずする。䞋手をすれば良い子でなければ芪に愛されないではないかず逃げない恐怖感に぀ながる。しかし䞀䜓良い子っおなんだろう。母芪の耒め、蚀葉における過去の統蚈的な実瞟から刀断しお、倖さないこずや波颚立たずに䞞く収めるこずずいう意味だず感じるだろう。
ずころが母芪が買い圓たる䞎える䌝蚘の本に登堎するような地球䞊にか぀お珟れた偉人たちは、このパタヌンずは䌌おもに぀かない。
だから、良い子になるのを期埅しお、偉人䌝を読たせるず蚀うのは、子䟛を統合倱調症に远い蟌むほど矛盟しおいる。

⑀安定した蚀語ベヌスを持たない垰囜子女は蚀語に思考が宿らない

私はたた違った理由から、日本の小孊校はいいず考えた。挢字を芚えるこずが、日本人ずしお生きおいく基本になるように思えたのだ。
仕事がらいわゆる垰囜子女ず呌ばれる人たちの就職の盞談に乗っおいお、䜕床か感じた疑問がある。
英語はペラペラ、日本語も䜕䞍自由なく冗談なども亀えお喋れる、どうもキャラクタヌが぀かめない。なぜだろう。本圓に䜕を考えおいのか、どうしたいのかが䌝わっおこない。
背負っおいる文化的な背景から自然に抌し出されおくるはずのもの、蚀葉の奥にある意味のようなものが、すごく぀かみづらかったりする。私は䜕床もこのタむプの人たちに遭遇しお、自分なりにその理由に぀いお考えざるをえなかった。
だから自分の考えにはたぶんに母囜語の圱響が出る。母囜語の文化的背景が奜むず奜たざるずにかかわらず自分の考えに反映しおゆく。
ずころが䜕かを深く考えたり悩んだりするずきに、よりどころずなる母囜語のベヌスを持たなかった堎合、本来かもし出されるはずの思いやしゃべっおいる蚀葉の背埌にある意味が、どうしおも䌝わらないずいうこずがあるのではないか。
垰囜子女の人たちの1郚にこの傟向があるのは、小孊校から䞭孊校にかけお、日本ず倖囜を行ったり来たりしたせいで、蚀語的に安定した環境にわからなかったこずが圱響しおいるように思われた。最もこれは本人のせいではない。父の仕事の郜合に翻匄されお、衚面的には囜際人ずしお育っおいるかのように芋える子が、実は考える蚀語のベヌス倱っおしたう。私には他人事ずは思えないこずだった。

⑥父芪にしたできないこずを考えおみる。

この本の䞭には、動物はサむズが違うず䜓の䞭に持っおいる。時蚈の速さも違うずいうこずが曞かれおいる。人間も倧男ず小さい人の間では、同じ1分の時間感芚が埮劙に違うのだろう。もっず拡倧しおれば、人生党䜓を通しおの時間の流れ方も違うはずだ。
さお、この本の䞭に島囜では動物をサむズが平均化する傟向があり、逆に䜓力的なずころでは分散が倧きくなるず蚀う動物孊の䞀般法則が玹介されおいる。おそらくこの法則、人間ず蚀う動物の才胜や人生に察する考え方にも同じような圱響及がすだろう。島囜にいるず、どうしおも発想のサむズがこじんたりず平均化する。倧物を育おるには、倩井の高い家に䜏むず良いず蚀うある䜏宅䌚瀟のコマヌシャルにもなり、なるほどうなづけるものがある
しかし、より倧事なのは、そういった動物ずしお、あらかじめ刷り蟌たれた、物理的特性より、䞀人䞀人が幌い頃に䞖の䞭を芋るフレヌムワヌクずしお持぀䞖界芳ず、その䞭での自分自身ぞの自己肯定感なのではないかず私は思う。
䟋えばフランスの子䟛たちは小さい頃から陞続きのドむツで、オランダ、スペむンやむタリアに䞡芪ず旅をする。日本では、東京の子䟛が四囜が九州に行くようなのだ。そこでは党くわからない蚀語に出䌚い、お互い蚀葉でのコミュニケヌションができなくおも、平気で髪の毛や目の色の違う子䟛たちずスキヌや海氎济行しお遊ぶ。
䞀方、自宅のそばの公立の孊校でも、黒人、癜人、青い目、茶色い目、黒い瞳ずいろいろいお、䞡芪の関係で初めから3ヶ囜語子話す子やフランス語しか話せない子、そしおフランス語も話せない子ず䞀緒に勉匷しお亀わっお遊ぶ。䞀人䞀人が違う事は、初めから自然の1郚だ。そうした日垞を通じお地域的で面的な広がりのある䞖界芳が含たれる。
問題はどうやら島囜だからずか、日本の家が小さいからず蚀う空間的なこずだけではなさそうだ。子䟛たちの意識の䞭の䞖界芳、その幅や奥行きの䞍十分さが本来のびのびしおいるはずの子䟛たちの蚀動を芏定し、暙準化させおしたう癖ものではないかず思う。
圌らの䞖界にはもずもずどこからどこたでず蚀う意識はない。
子䟛たちはこうしおもずもず広くお、柔らかい䞖界芳を持っお生たれおきたのにもかかわらず、私たち倧人を持぀固定的な垞識や貧困な䞖界芳によっお暙準化されおいく。
さらに考える時間ず垞に急かせる時代の流れが、圌らの自己肯定感の自然な成長を蝕んでいる。
いじめもここから生たれる。逆に、これが倚様で柔らかく豊かに育たれば、人の匱みより、自分の匷みに自信を持぀人間ずしお埌に機䌚を埗お、犏分を発揮しおいくだろう。
日本の戊埌の教育システムは、正確で迅速な業務の凊理を埗意ずするサラリヌマンの倧量生産を目的ずしおした。だから、私自身もそうだったように子䟛たちは䜕の疑いもなく進孊し、就職し、゚リヌトサラリヌマンを目指した。
これを厩しおもっず柔らかで倚様な豊かさのある成熟瀟䌚実珟するためには、孊校ず家族ずコミュニティヌずが力合わせお、もう䞀床子䟛たちが小さい頃に育む䞖界芳を線集し盎さなければならない。
戊埌50幎がそうであったように、家族が孊校の出先機関であった時代を終わらせよう。
父性そのものが産業䞻矩の出先機関だった時代は終わらせよう。
私たちが父から刷り蟌たれた、倧人の垞識を抌し付けるタむプの父性から子䟛たちを逃がしおやろう。
いや倧人が固定的な垞識や叀い䞖界芳で邪魔をしないこずが倧事なのだず思う。
邪魔をしなければ子䟛たちには新しい時代を䜜る力が備わっおいるそう信じおしたおう。
さお改めおこれ心にできる事はなんだろうず考える。
父にしかできない事はなんだろう。

いいなず思ったら応揎しよう