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Goldfrapp2005-2008年(感想)_幅広い音楽性と優れたリミックス

Goldfrappは、Will GregoryAlison Goldfrappによる1999年結成のデュオ。
以下に2005年以降にリリースされたアルバム/シングルについての感想などを。
2004年までのリリースについての感想はこちら。

Ooh La La (2005年)

3ndアルバムからのリードシングル。UKシングルチャート4位。
グラムロックっぽくもあって、ポップでノリの良い軽快な曲。
リミックスはBenny Benassi、Peter Rauhoferなどのは個人的な好みからするとハード過ぎるけど、「Ooh La La (Tiefschwarz Dub)」が本っ当にバカ過ぎて最高。
歪んだベース音からのタイトなリズムがミュートされたら ↗LaLaLaLaLa、↘LaLaLaLaLaを繰り返すくだりが変態的で良い。ずっと我慢させておいてやっと開放してくれるから、踊ることに特化した機能的なハウス・ミュージック。是非ピークタイムに聴いてみたい。
現在でもたまに頭の中でこのフレーズがグルグル回ってしまうほど中毒性がある。


Supernature (2005年)

2ndアルバムの延長線にあるダンスビートの印象が強い3rdアルバム。UKアルバムチャート2位。
これまでのGoldfrappのキャリアを改めて振り返ってみると、2ndとこの3rdアルバムの頃が最も充実していたと思う。
斬新なことをやっている印象は無いのだけど、現在でも新鮮な気持ちで聴ける。
きっとそれは派手なんだけどギリギリダサくならない境界だったり、音色のチョイスのセンスが好みだからかも。

Alisonのヴォーカルからはコケティッシュな歌い方ではなく、力強さを感じさせる。
この頃のアートワークは退廃的なエロ要素は取り除かれ、カーリーヘアがかろうじて柔らかい雰囲気を残すが、自信を持って何かを見据える表情はまるでファッションモデルのようで洗練されて緊張感がある。
罫線を多用したフォントにいかにもなデジタルっぽさがあって分かってる感じ。

Number 1 (2005年)

3rdアルバムからの2ndシングル。UKシングルチャート9位。
高揚感のある曲は、これまでのシングルカット曲にしては珍しくポジティブ。

オリジナルに忠実で、途中にテンポの遅くなる「Number 1(Alan Braxe & Fred Falke Main Remix)」が好き。
Pete Gleadallによるリミックスで、存在感のあるシンセベースの跳ねている「Number 1(Chumbomundo Rework)」もまぁ踊れる。



Ride a White Horse (2006年)

ブイブイいってるシンセベースとキラキラしたディスコっぽさが印象的な、3rdシングルはUKシングルチャート15位。
歌詞はかつて、Bianca Jaggerが馬にのって「スタジオ54」へやってきたことについて書かれているのではといわれており、だとするとこの曲の高揚感は享楽的。

B面収録では、François Kによるオリジナルを踏襲しながらも空間的な拡がりのある「Ride a white horse (Fk-ek Vocal Version)」が好き。
また「Slide in (DFA Remix)」が12分以上もあって、下世話なパーカッションにグルーヴ感があるから踊れる。
そして踊れる音楽に疲れたら、ゆったりとした「Number 1 (Mùm Remix)」が食後のフルーツのように優しい。


Fly Me Away (2006年)

ポジティブな印象の4thシングルはUKシングルチャート26位。
リミックスは残念ながら気に入ったのは無し。
敢えて挙げるとすればまったりとしたエレクトロニカに仕上げた「You Never Know (Múm Remix)」が好き。


Satin Boys, Flaming Chic (2006年)

Satin Chicのリミックスを含む2曲収録のシングルでアルバム未収録。
当時は7インチシングルのみのリリースだったはず。
The Flaming Lipsのリミックスと、The Ordinary Boysのカバー曲が収録されているが、これまでのようなダンスビートではなく、まったりとチルできる楽曲になっている。


We Are Glitter (2006年)

4thアルバムリリースの頃にリリースされたシングルB面のリミックスなどを集めたコンピレーション。良い選曲だと思うけど、「Ooh La La (Tiefschwarz Dub)」が未収録なのは駄目でしょう、と勝手ながらいつも思う。



A&E (2008年)

4thアルバムからのリードシングル。UKシングルチャート10位。
アコギのアルペジオと揺らぎのあるシンセサウンド、そして滔々と歌うAlisonのヴォーカルがうまくハマった。
静かにゆったりとはじまって、徐々に盛り上がる展開には美しさがあって、全てのGoldfrappの曲でも飛び抜けて良い曲だと思う。

オリジナルが良するためリミックスはどれも見劣りするが、敢えて挙げるとすればビートを除きシンセパッドが印象的な「A&E (Maps Remix)」が好きかも。


Seventh Tree (2008年)

緊迫感のあるダンスビートは無くなり、ゆったりとした穏やかなエレクトロニカのよう。素朴な音色の美しいトラックの並ぶアルバムで、前作から大きくと雰囲気を変えてくるのはGoldfrappならでは。UKアルバムチャート2位。
穏やかな雰囲気は1stの頃に近いしいといえばそうだが、全体的にこちらの方がポジティブな印象。
過去2作品の人工的で硬いライティングの強いイメージでなく、曖昧な時間帯の自然光で少し不安げな表情のカバー写真からも柔らかさが伝わってくる。
シングルカットされた曲のリミックスも、激しく踊れる曲は無くなったのは残念だが、代わりにチル・アウトできる曲が増えた。


Happiness (2008年)

3rdアルバムからのシングルカット。UKシングルチャート25位。
珍しくポジティブな印象の曲だが、寄り添ってくれるような包容力もある。

ゆったりと聴ける、アンビエントに仕上がった「Eat Yourself (Yeasayer Remix)」が好き。
白いスーツを着た若い男が飛び跳ねるのを長回しで流すPVも印象的だった。



Caravan Girl (2008年)

3rdアルバムからの3枚目のシングルカット。UKシングルチャート54位。
Goldfrappのシングルカットにしては珍しくポジティブでアップテンポな曲。
B面ではループするポップな音が印象的なダウンテンポ「Little Bird (Animal Collective Remix)」が収録。


Clowns (2008年)

3rdアルバムからの4枚目のシングルカット。UKシングルチャート115位。
アコギのアルペジオとたどたどしいAlisonのヴォーカルが物悲しい。
B面収録曲は聴いたことは無いけど、ライブ・バージョンらしいので特に言う事は無し。


長くなってきたので、2010年以降のリリースについては次回以降。


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