【超短編小説】わたしのいちばんふるいキオク
「わたしのいちばんふるいキオク」
知世きいろ
ゆりかごの中に眠るおとうと。自分よりひとまわり小さなおとうとの、カラダ中に広がる、この白い肌に触れてみたい。
わたしは手を伸ばしてみるけれど、ゆりかご台は、わたしが思うよりうんと背が高かった。
遊び部屋から、わたしはお人形を腕に抱えられる分だけいっぱい持ってきて、ゆりかごの前にどんどん積み上げると、そこにはお人形の山。
わたしはその山に、両の足を一つずつ、そっと乗せてみるけれど、お人形の山はすぐに雪崩が起きてしまって、わ