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法隆寺を堪能する-第1回~プロローグ
4月となり年度替わりを迎え、今年の目標のひとつに挙げていた「法隆寺を堪能する」シリーズが始まりました。
この法隆寺に関しては謎が多く、いまだに特定できないことがあります。
まず、いつ聖徳太子がこの斑鳩と呼ばれた地に創建したのか?その時期は大まかに以下の2説あります。
①推古15年(607)ー父・用明天皇のために創建
②推古9年(601)ー住居である「斑鳩宮」を建てたと同時に創建
「日本書紀」には670年に伽藍を落雷により焼失したとありますから、ざっくりですが7世紀初頭の創建で8世紀初頭に再建され、現伽藍は基本時にその当時のもだと考えられています。
同じ聖徳太子による寺院「四天王寺」の方が推古元年(593)でさらに古いのですが、何度も戦禍に遭っているため往時の姿は全く遺っていません。
しかし法隆寺は立地的にも人災を免れ、創建当時のままの建造物が今も遺されているのです。
2016年に訪れた時の記憶では、かなり敷地は広く、鑑賞するものも多かったので、今回も覚悟してきました。
チコさん、ミコさん、ロコさん。私の4人参加で、チコさんが車を出してくれました。
法隆寺は奈良の生駒郡斑鳩町にあり一般的には辺鄙なところかもしれませんが、我がまち・松原市からだと高速を使えば30分ほどで行けてしまう比較的行きやすい場所なのです。
ちょっと寄っただけなのに
あっという間に法隆寺インターを出たのですが、私が水を持参するのを忘れたので途中のコンビニに立ち寄ってもらいましたが、結局は全員がコンビニ内に入りました。
私は自分の買い物をさっさと済ませて外で待っていると、他の3人がなかなか出てこないので様子を見に行くと、店内で自分で作るスムージーに並んでいるのです。
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本格的なので、私たちだけでも結構な時間がかかりますが、味はかなり美味しいようです。
私は余計に喉が渇きそうで買っていないのでわかりませんが。
おばちゃんとはいえ女子旅は些細なことで時間を取ります。
すでに珍道中や~💦
法隆寺到着!
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法隆寺の玄関入り口「南大門」に到着です。空は快晴。
相変わらずの晴れ女ぶりに我ながら感心します。
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友の会
元々、法隆寺友の会(¥3,000/年)に入会して、今年一年間は行き倒したいという思いから企画したもので、レキジョークルメンバーのうち入会したのは、チコさん、ミコさん、私の3人でした。
法隆寺の拝観料は1,500円で、一般的な寺院のものに比べるとかなり高く、だからこそ2回行けばもう元が取れ、3回行けばすでに得したことになるので、寺内を隅々まで見るなら入会した方がお得です。
この日の参加メンバーのうち、ロコさんだけは1回だけの参加のつもりで友の会は未入会でした。
ところが、行きの車中で、今後の法隆寺訪問の予定を話していると、ロコさんが「行きたい!」と言った企画がこの日を合わせて計5回となるので、急遽、入会を決め、まずは南大門を入ってすぐ左手の寺務所で手続きを済ませました。
なーんやそれ。
正直、4人ともホッとしました。
というのも、他の3人は良いとしてもロコさんは今日限りの参加だと思っていたので、できるだけテンポアップして伽藍を回ろうと気合が入っていたのですが、ロコさんが入会したことで、その必要もなくなり肩の荷が下りたのです。
これで4人とも年間フリーパスを手に入れました。
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京都の寺院には友の会はない?
そもそも、今回「友の会」に入るにあたっていろいろ調べてみたら、友の会は奈良の大寺にはほぼあるのですが、京都の大寺にはほとんどありません。
ざっと検索してみると「醍醐寺」ぐらいのものです。
わざわざお得なフリーパス券を作って集客しなくても、勝手に世界中から観光客が殺到するからでしょうか?
確かに京都の混雑さは半端なく、特に567制限が解除されて以降は以前より増しての盛況ぶりです。
京都と奈良、この辺りの裏事情も後日調べてまとめてみたいと思っています。
広い寺域
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法隆寺地域の仏教建造物によると、その面積は14.6ヘクタールとのことなので、だいたい東京ドーム3個分、46㎡ぐらいに該当します。
その広大な寺域内には国宝・重要文化財の建造物が55棟、仏教美術品は3000点もあるといいますから驚きます。
平成5年(1993)に「世界文化遺産」に登録されたもの当然ですね。
それだけではありません。
南大門から北へ約100m間だけでも左右の屋根に「鬼瓦」や「邪鬼」などがなかなか躍動感にあふれ、心くすぐられるかわいらしいものがあります。
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中門の金剛力士像
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めでたく友の会の準備が整い、いざ紀行開始です。
寺務所を出た私たちはまっすぐ北へと進み、「中門」の堂々たる姿に見惚れてしまいました。
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この両脇で睨みを利かせている金剛力士像は和銅4年(711)のものだと伝わりますので奈良時代の作品です。
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しかも木製ではなく粘土製の塑像なので、よくもまあ、朽ちもせず長年の風雪に耐えたものだと感心します。
こんな無防備に置いていて大丈夫なのでしょうか?
古寺行こう!法隆寺によると、やはり何度も修理されていて、阿吽の両形とも378㎝の大きな身体を大きくひねったポーズは、リアルに躍動的で今にも動き出しそうなぐらいです。
限定開扉の「救世観音」を目当てに
はしゃいで写真を撮りまくっていましたが、本日の真の目的は東院伽藍の「夢殿」ご本尊・秘仏「救世観音」を観る事でした。
4月11日~5月18日まで春季として期間限定で逗子の扉が開けられて見ることができるのです。
そのため90度方向を東に変えて、「東院伽藍」を目指します。
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法隆寺の紋は「多聞天紋」で、 日本で最古の紋とのことです。
寺内のいたるところで見られました。
【参考文献】
・古寺行こう(1) 法隆寺 小学館
・世界遺産1300年の歴史 法隆寺のことが全てわかる!
「法隆寺」を堪能するシリーズ
②第1回~東院伽藍
③第1回~西院伽藍
④第2回~藤ノ木古墳
⓹第2回~周辺の寺々
⑥第3回~秋の斑鳩と東院伽藍の深堀り
⑦第3回~お宝と七不思議
⑧第4回~期間限定公開を巡る
⑨第4回~法輪寺と中宮寺跡
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