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いい加減な区別は差別と同じ
「“差別”ってことについて考えたことあります?“差別”っていうのが差別される側の人間にとって、どうして失礼なことなのかって、考えたことあります?教えて上げましょうか?“差別”っていうのはねェ、先生、キチンと“区別”することを怠ったいい加減な人間のする“概念規定”だからですよ。人のことだからいい加減でもいいやと思って、その人のことを中途半端な知識で裁断しちゃうから、そんなもんで裁断された側の人間は頭に来て『なめんなよ!』って言う訳ですよ。あなた、学問の人間なら、“知らない”ということがどれほど恥かしいことか御存知でしょ。区別するならするで、キチンと区別をしなかったら、あなたのする区別は自動的に“差別”になりますのよ、お気をつけ遊ばせ。」
「“理解する”なんてねェ、簡単なのよ。理解したつもりになればなんだって理解出来ちゃうんだから。都合のいい所だけ持ち出して都合のいい物差しくっつけりゃァ、それで割り切れることなんて、どんなもんだって割り切れちゃうでしょう。その“都合のいい所だけ”を指して“すべて”と称するならサァ。
いい加減な区別は差別と同じことだって言ったけどサァ、いい加減な切り取り方だって同じことは言えんのよォ。」