いい加減な区別は差別と同じ 10 chisato_mrt 2022年8月28日 13:57 「“差別”ってことについて考えたことあります?“差別”っていうのが差別される側の人間にとって、どうして失礼なことなのかって、考えたことあります?教えて上げましょうか?“差別”っていうのはねェ、先生、キチンと“区別”することを怠ったいい加減な人間のする“概念規定”だからですよ。人のことだからいい加減でもいいやと思って、その人のことを中途半端な知識で裁断しちゃうから、そんなもんで裁断された側の人間は頭に来て『なめんなよ!』って言う訳ですよ。あなた、学問の人間なら、“知らない”ということがどれほど恥かしいことか御存知でしょ。区別するならするで、キチンと区別をしなかったら、あなたのする区別は自動的に“差別”になりますのよ、お気をつけ遊ばせ。」「“理解する”なんてねェ、簡単なのよ。理解したつもりになればなんだって理解出来ちゃうんだから。都合のいい所だけ持ち出して都合のいい物差しくっつけりゃァ、それで割り切れることなんて、どんなもんだって割り切れちゃうでしょう。その“都合のいい所だけ”を指して“すべて”と称するならサァ。いい加減な区別は差別と同じことだって言ったけどサァ、いい加減な切り取り方だって同じことは言えんのよォ。」橋本治『蓮と刀』 蓮と刀―どうして男は“男”をこわがるのか? (河出文庫) amzn.asia 5,999円 (2022年08月28日 13:56時点 詳しくはこちら) Amazon.co.jpで購入する ダウンロード copy #読書 #橋本治 #原っぱの橋本治研究 #日めくり橋本治 #蓮と刀 10 この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか? サポート