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「正しいか」より、「美しいか」

「問題は、『正しいか、正しくないか』ではないのです。『口から出る音』である言葉を、抽象化しながら書き留める─そうして書かれた文章を、『美しいか、美しくないか』という基準で計ればいいのです。『基準』というものを、そのように設定すればいいのです。
私は、平気でそうしてしまいます。
言葉遣いや文字遣いの『正しさ』は、目標とされる『美しさ』の中で、一々が検討されるべきだと思います。校正者にはそのチェックをお願いしたい。
そして、こちらが考えた『美しさの領分』に、無粋なモノサシを持ち込んでもらいたくはないのです。」

橋本治『橋本治が大辞林を使う』


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