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真面目になるのはなんの為?冗談が分かる為じゃないの?〈日めくり橋本治〉
真面目になるのはなんの為?
冗談が分かる為じゃないの?
全部蹴っとばす為にあるんですよ。
蹴っとばした後に自分があるんだもん、っていう風に僕は思ってるから、もう冗談やったのね。
だって、ビートたけしが漫才界の哲学者になるのは簡単だけど、エマニエル・カントがビートたけしになれるかって言ったら、なれないでしょ?
私は橋本治に関する私の研究を、「原っぱの橋本治研究」と名付けました。
「原っぱ」は橋本治に関するキーワードで、重要な、大切な概念です。
それが説明されているのが「ぼくたちの近代史」。講演がもとになっている本のうち、今でも音源が聴ける貴重なものです。加筆・編集されていますが、聴きながら本を目で追うというマニアックな読み方もできます。
「何が一番つらいかっていうとねえ、橋本治という思想家が存在しなかった時代の橋本治が一番つらいんだよね。」
「自分の思想があれば自分の思想によっかかれるから楽だもん!」
でも、
「ただ自分だけで分かるのじゃいやだ!」
だから
「一般的でもありながら個人的でもあるようにっていう両方の構成で」書いてたのが橋本治でした。