マルメロとは、果樹の一種で“セイヨウカリン”ともいう。渋みが強く生食には向かず、ジャムや酒に加工される。
それを言うのは女優を目指すナディーヌ。
その言葉は、叔母アンリエットのこんな言葉を受けて発せられたもの。
これを言う叔母は、女優を目指すナディーヌにこんなことを言う存在でもあります..
現代的にアレンジされた若草物語「ストーリー・オブ・マイ・ライフ╱わたしの若草物語」を思い出しました。あの映画での叔母役のメリル・ストリープは言葉以外の意味を感じさせる演技に深みがあってよかった。彼女の表情もまた、この本の一説を思わせます。
この本は2013年12月、限定150部、定価3万5千円で発売されました。
写真で伝わると思いますが、文庫と比べるとかなり大判。片手で読むことは不可能です。
オールカラーで200ページ以上。背景はただの白い紙ではなくて、何パターンもの色の布を写した写真、それに橋本治さんの文章と、岡田嘉夫さんの豪華な絵が重なる。贅を尽くしたとはこのことか、と思うほどの、眺めるだけでも魅入ってしまう大人の絵本。