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こんにちは!ちさきです
9月ももう終盤ですね
地域によっては寒くなっているところもあると思いますが、関東は今週に入ってから秋めいた季節になり、我が家はやっと冷房を手放せました

秋といえば「食欲の秋」「読書の秋」「美術の秋」色々な「〇〇の秋」がありますが、今回は薬の話ではなく「食欲の秋」についてお話ししていきます


「食欲の秋」というように
真夏の暑さから夏の終わりが来て、秋に入った今の季節
だんだんと気温が下がってきて食欲が増したり、甘いものが欲しくなっていませんか?
実はこれ、ちゃんと体が機能している証拠です
"秋の味覚"に食欲をそそられるのはもちろんなのですが、身体のメカニズムを理解すると、気温が低下して食欲が湧くことは自然なことなのです
秋に食欲が増す理由はいくつかあるので、説明していきますね


▼気温低下と代謝

気温が下がると、私たちの体の基礎代謝が上がるのでエネルギーを必要とします。このエネルギーというのは糖質や脂質です
糖質や脂質は食事から摂るしかありません
なので、気温が下がると自然と食欲が湧くんです

どういうことか-
基礎代謝とは、心拍や呼吸などの生命活動を維持するためにエネルギーを消費している動きのことです
気温が下がると、体温を維持しようとして代謝を回すことで熱産生を行い、この時にエネルギーを使います。こうして私たちの体は、意識下でエネルギーを消費しており、エネルギーを必要とすることで食欲が増します

なので、気温が下がることで食欲が増したり、甘いものやジャンクフードが欲しくなるのは、身体がしっかり機能しているということです

秋になって美味しいものがたくさん目に入り、ダメダメと思いながらもつい食べ過ぎちゃう…なんて思っている方、体が反応している自然現象なので、あまり自分を責めないでくださいね
私も食欲が湧いて、ご飯の量が増えています笑

▼セロトニンと食欲

続いては、セロトニンと食欲の関係についてです
セロトニンといえば「幸せホルモン」と思い浮かべる人が多いと思いますが
実は食欲を抑える働きもしています
そんな働きも持つセロトニンは、日照時間が少ないと分泌される量が減ってきます
なので、日照時間が短くなる秋~冬はセロトニンの分泌量が減り、食欲を抑える働きが弱くなることで食欲が増してしまうのです

セロトニンは幸せホルモンと呼ばれていますが、正しくは神経伝達物質です
精神科系の薬はセロトニンの量を調節するように作られているのですが
薬で食欲が増したり無くなったりするのは、このセロトニンの量が変わるからです。この薬の話はまた後日-


▼季節と食欲

「食欲の秋」という言葉は江戸時代から使われている言葉と言われています
夏の暑さで食欲が落ちる人々。秋になって涼しくなり、また稲刈りや収穫などで忙しくなって、よく食べるようになったことから生まれた言葉です
また、秋は古来から豊穣の季節として祝われてきました
稲刈り、芋掘り、栗拾い、秋は収穫する季節ですよね。新米や新酒、新茶や新そばなど、新しいものを味わうことができます
さらに、秋は食材の栄養価が高くなってくる時期でもあります(⇩画像参照)
昔の人たちは食べることで、自然と夏の暑さで消耗した体を回復させていました

ほうれん草に含まれるビタミンCの含有量
出典元:e-ヘルスネット

ですが私達現代人は、身体を動かしてエネルギーを消費する量より食べて摂取するエネルギーの量の方が明らかに多いです

夏~秋の季節の変化で食欲が増すのは自然なことなのですが、動かず食べ過ぎたら体重が増えたり、身体の不調が出たり、病気に繋がることにもなります。秋の食を楽しむのは大事ですが、食べ過ぎには注意しましょう

▼糖質過多による悪循環

秋の味覚であるさつまいも、さと芋、栗、かぼちゃ、新米などは糖質が多い食べ物です
先ほども言った通り、これら秋の味覚を楽しみたい季節ではありますが、身体が欲しているからと言って食べ過ぎてしまうと体に悪影響を及ぼします

私たちが主食にしている米は「デンプン」という糖質が多く含まれます。芋、栗、かぼちゃなども「デンプン」を多く含みます
これは砂糖とは違いますが、同じ糖質です

デンプンも砂糖も体の中で分解され、最終的に「ブドウ糖」となって吸収され、血液を介して体中に行きわたりエネルギーとして使用されます

糖質についは、私が開催しているオンラインセミナーで詳しく話しています
セミナー開催についてはInstagramアカウントをご参照ください
Instagramアカウントは下部参照

このブドウ糖が、血液中にどれくらい存在しているのか、つまり血液中のブドウ糖の濃度を数値化しているのが「血糖値」です
「食べる→血糖値が上がる→血糖値を下げようとする→ブドウ糖を消費する」という事が身体の中で起きています
しかし、糖質の摂取量が多ければ血液中のブドウ糖の量は急激に増え、血糖値が急上昇します
血糖値が急上昇した反動で血糖値が急降下し、急激な空腹感を感じまた食べてしまうという負のループを繰り返します

糖質過多で起こること

このようにして血糖値の急上昇急降下を繰り返すことで、糖質がどんどん欲しくなるし、糖尿病や血管性疾患(心筋梗塞、脳梗塞、動脈硬化、認知症など)の病気になるリスクも上がります

気温が下がって食欲が増すのは自然なことですが食べ過ぎだけは注意しましょうね


過ごしやすくなった季節、気温低下により食欲が湧いてしまう原因について理解できたでしょうか?

食べ過ぎの対策としては
■良く噛む
■腹八分目
の食べ方を意識することです
他にもできることはあるので
次回は「秋の食欲に負けない対処法」についてお話します

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ちさき
◇薬剤師
◇菜食育®アドバイザー
Instagramで食のこと薬の使い方について発信中⇩


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