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ポジティブな職場環境の作り方 その4 集団力学(グループダイナミクス)

その4です。今日は集団力学(グループ・ダイナミクス)にします。

集団凝集性(しゅうだんぎょうしゅうせい)

メンバーをその集団に留まらせるように働く力を「凝集性」と呼ぶそうです。ちなみに私はこれずっと(ぎしゅうせい)って読んでて、先日Wikipedia見たときに初めて「!!!!」と漢字の読み方を知りました(恥ずw)。

簡易な日本語を使うと「仲間意識」みたいなものだと解釈してます。例えば魅力的な人がいる、日々の活動が魅力的である、あとは、その集団に属している自分が恰好いい(評価が上がる)などがあり、動機づけの要因になるようです。この凝集性が高いと成果があがるという研究結果があるほど。
でもデメリットももちろんあるようです。

集団凝集性が高いならばその集団内が外部と隔絶したならば批判的な意見を受け入れられなくなったり、多様な意見が存在せずに単一化するようになり、このような形で物事が合意されるようになるという傾向が存在する。

集団凝集性 - Wikipedia

これ、わかりますよね。その中にいると気づきづらいかもしれないですが、一歩外から見てみたり他の集団を見たときに、ちょっと異常に感じるほど似ていたり、あまりに話している内容や価値観がかけ離れていたり。でもその中にいる人たちは気づいてないんですよね、きっと。先日ご紹介したジョハリの窓でいうと「自分は気づいていないけど他人は気づいている盲点の窓」に当たる領域が集団で出来上がっている状態だともいえるかと思います。

集団極性化 リスキーシフトとコーシャスシフト

さらに悪いことに、「集団極性化」といって集団の意思決定ではとっても極端な発想になることがあるとのこと。リスキーシフトとは極端に危険度の高い意見がでること。集団で自分より目立つ意見が出ると負けじとさらに極端な意見を出し、それを繰り返し、極論になるそう。コーシャスシフトはその逆で慎重な意見を出し続けて極端に保守的な意見に偏る現象だそう。またこれらは集団凝集性が高いと発生しやすいというのも分かりますよね。いつも同じメンバーでいつも同じ意思決定をしていると、反対意見や異分子は出てこない(または排除される)傾向があるので、極端な発想になる。

グループシンク 集団思考・集団浅慮

心理学者のアービン・ジャニスによると、とても悲しい歴史的事実として戦時中や戦争の可能性が高まるなどの危機的状況下における政策決定に適用された発表してます。特に下記のような前提がある場合に起きやすいとのこと。

団結力のある集団が、
構造的な組織上の欠陥を抱え、
刺激の多い状況に置かれる

集団思考 - Wikipedia

構造的な組織上の欠陥とは、イマドキで言えば組織に心理的安全性がなくメンバーが意見を自由に言うことができず、リーダーも公平にその意見を聞き入れず、公正な手続きや検査機関がなく、凝集性が高すぎる集団と言えると思います。肝に銘じて覚えておきたいのは、そのような集団浅慮が起きる兆候です。

代替案を充分に精査しない
目標を充分に精査しない
採用しようとしている選択肢の危険性を検討しない
いったん否定された代替案は再検討しない
情報をよく探さない
手元にある情報の取捨選択に偏向がある
非常事態に対応する計画を策定できない

集団思考 - Wikipedia

これは普段の職場の会議、お客様への提案などでも考慮すべき兆候だと思います。何のためにこの仕事をするのか、お客様のビジネスにどう貢献するのかなどの目標を十分に精査しない提案は使われないシステムの構築や、そもそも採用されない提案を作ります。代替案の検討や一旦否定した代替案の再検討、そもそも情報をよく探さないというのもよくない傾向ですよね。短時間で成果を出そうとするとこのような状況は作ってしまう可能性があります。再度書き出してCheckListとして手元に置いておこうと思います。

社会的手抜き フリーライダー

これあるあるの話。集団で仕事してたり一つのプロジェクトやってるとき、誰かは手を抜くことです。自分が頑張らなくても誰かがやってくれるだろう思考。ありますね、自分もたまにやっちゃいます。フリーライダー(ただ乗り)って言われると、なんか申し訳ないですね、そうただで乗ってるんです、たまに。。。すいません。集団の力が個人の総合力に負ける。アベンジャーズが全員揃ったら絶対に勝てるはずなのに、おかしいな?という感じでしょうか。
例えば転職者が多い職場や定期的に配置転換をする組織などでは、その職務経験が長い人と短い人が一緒に働くことになります。その場合、やっぱりどうしても職歴長い人が先導しやってしまった方が早いことが多いです。でもそれをやればやるほど、ずっと同じ人に仕事が偏り、忙しい人は忙しいまま、不慣れで仕事が回ってこない人(そしておそらくは期待もされていないと感じている人)はずっと仕事しないままという負のスパイラルが始まります。そして、ふと気づくんですよね。あ、手を抜いてもいいか、あの人がどうせやってくれるしと。そしてまた負のスパイラルは加速し、フリーライダーはフリーのままとなります。

これをマネージャーとして組織的に回避するには、やっぱりリスクを負ってでも、または少し時間がかかってでも仕事を任せること、隠れることができぬよう個人の成果を数値化する、その人に内発的動機づけを行いその人の特性が活かされるような業務を見出すなどでしょうか。これは前回紹介したようなワークモチベーションのあらゆる理論を総動員し、この人にはこういった内発的動機づけを、、この人は外発的にまず動機づけを、、、達成意欲を、、、そしてフィードバックを、、、などと工夫するしかないのかもしれません。ああ、まだまだ学ぶこと、そしてそれを実践するための道のりは長いです。。。

まとめ

職場は集団で考え行動する場所です。どんなに個性豊かで優秀な人がたくさん集まったとしても、なぜか成果が出ない、むしろ面白くないことになってる、、、とならぬよう、ポジティブな職場環境を作るために気を付けることたくさんの学びでした!

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