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ことりのことば 2021-2024 poems

エッセイってなんだっけ
詩って なんだったっけ
あまり深く考えずに
思いのままに綴っていた

心の奥で大事にしていること
だれかに届けたいメッセージ
どんなふうに話をしていても、たぶんわたしは
「ひとりじゃないよ」って伝えたいのだと思う

わたしのこれまでのエッセイの中の
詩のようなことばを集めてみました

“詩” というよりも “つぶやき” という感じの
鳥のさえずりのようなものです
よろしければ お付き合いください


***

『ごあいさつ』

“おはよう”
 ー 生きています ー
“いただきます”
 ー 健康です ー
“ごちそうさま”
 ー パワーチャージできました ー
“いってきます”
 ー 頑張ってくるね ー
“いってらっしゃい”
 ー 元気に帰ってきてね ー
“こんにちは”
 ー 元気です ー
“ごめんなさい”
 ー 不安です ー
“さようなら”
 ー リセットします ー
“ただいま”
 ー 無事です ー
“おかえり”
 ー 待っていたよ ー
“おやすみ”
 ー ゆっくり休もう ー
“おめでとう”
 ー わたしも嬉しい ー
“ありがとう”
 ー 幸せです ー

ごあいさつってやさしいことば
なかよくなるためのまほうのことば
とってもちいさなことばだけれど
まるでまほうをかけるみたいに
とってもおおきくなるんだよ
すごいちからになるんだよ

とてもだいじな いみのある
とてもだいじな ことばなの

ごあいさつからはじめてみよう

ちるnote『ごあいさつってどんないみ?』より


『ロマンチスト』

水から生まれた命は
ふくらんでゆくハート
夕陽の優しい歌声に
煌めきそっとまざる海

花火に紛れた告白は
夏の終わりの淡い約束
冗談でつないだ手に
こぼれて落ちて灯る夜

瑠璃色のメッセージ
コスモスのブーケ
三日月のブランコ
乙女座のキミとボク

ロマンチックをあつめたら
明るい星がひとつうまれた

ちるnote『乙女はロマンチストなり』より


『はんぶんこ』

喜びや楽しみをわけあえば
ともに心躍り
痛みや哀しみもわけあえば
ともに心穏やかになる

幸せだって 涙だって
わけあえば
ポッと微かな音がして
心はちょっと軽やかになる

ひとりで抱える幸せよりも
ひとりで抱える涙よりも
はんぶんこにすると
温かなものになる

ねぇ、はんぶんこしよう

ちるnote『はんぶんこ はんぶんこ』より


『道』

「おい、おまえ」
道はわたしをよびとめる
どっちへゆくのかと問われ
わたしはこっちとひとつ指差す

「おい、おまえ」
道は静かによびかける
おまえがきめていいのだと言う
わたしはこっちと足を踏みだす

「おい、おまえ」
いつでも道は感情をもたずに
ただ ひらべったく呼びかけて
咎めることも 促すこともせず
そっと静かに横たわる

だからわたしは振り返らずに
ここまで歩いてこられたのです

ちるnote『道 〜 選択するということ〜』より


『サクラ』

今年も春がやってきて
桜は咲いてくれました
いつもこのころになると
心細げにうつむくわたしを
ねぇ顔をあげてごらんって
やさしく誘ってくれるのです
美しさに思わず吐息がこぼれると
桜ははらりと舞いました
ありがとう
ばいばい
またね

ちるnote『サクラサク〜photo SAKURA〜』より


『再会』

ばいばい、またね
そう言って
お別れをしたはずだったのに
また会えました
またこうして会うことができて
わたしはとても幸せです

いつの間にか離ればなれになって
それぞれの場所で生きていた
時間は平行に流れていて
互いに同じだけ年を重ねていた
またこうして巡り会えて
過去を、未来を、思い出を 共有していく

会えてよかった
うれしかった
これからもどうぞよろしくね

ちるnote『再会〜photo SAKURA 〜』より


『 A BIRD 』

降りしきる雨の中を
一羽の鳥が飛んでいく
何を思って
どこへ行くの

明るくなる雨の切れ間に
一羽の声が響いてた
何を思って
だれに歌うの

あんなふうに空が飛べたら
あんなふうに歌えたのなら
どんな気持ちになるのだろう

ちるnote『鳥と自然〜バードウィーク〜』より


『まもってあげたい』

「気にしないで」って言われたら気になるもん
「ほっといて」って言われてもほっとけないし
「心配しないで」って言われたって心配なのよ

勝手に見守ってるだけだから
どうぞ気にしないで…

ちるnote『まもってあげたい』より


『まなざし』

髪を整える人の手先
料理をする人の手元
花を挿す人の指先
陶芸をする人の掌
絵を描く人の筆先

話をする人の間合い
写真を撮る人の視線
言葉を紡ぐ人の視点
踊る人のステップ
歌をうたう人のブレス
楽器を奏でる人のリズム

ものを生み出す人が
ある一点へ注ぐ眼差し
それはとても美しい

本当に好きなものを見つめる目は、
好きなものについて語る瞳は、
大切に育もうとする眼差しは、
一途で真摯で 愛があって 優しい

それは揺らぐことなく
信じていることに等しい

ちるnote『クリエイトする人の眼差し』より


『リアル』

“ ワタシハ コウイウ ヒトナンデス ”

話さなきゃ 知らないまんま終わってた
話さなくていいことだってあるし
知らなくていいことだってあるけど
知ってもらってよかったと思う

“これがわたし” と打ち明けて
“そうか” と思ってもらえたらそれでいい
もしもイヤとかダメならば
それはそれで仕方ない

ちるnote『リアルよりリアル〜きもちを育む〜』より


『夏の街角』

ソーシャルディスタンスで
微妙に秩序を保つ駅のホーム
アスファルトはじっと堪えて
ジリジリと何かを待っている
ビルの間のちいさな空を
低く飛行機が駆け抜けて
イライラをかき消していく
移住してきた木々たちは
そっとため息を吸い込んで
優しさに変えて吐き出している
大通りから外れてみたら
少し懐かしい匂いがした
こんな景色も 東京の街

ちるnote『夏の街角〜 photo TOKYO〜』より


『空はまるでこどものように』

空はまるでこどものように
泣いては笑い 笑っては泣く
怒りに狂うこともあれば
優しく満ちていたりもする

どんな空も受けとめて
いつも笑顔でいてほしいと願っている
抱きしめるように
母のように

空がまるでこどものように
深く眠りについた静かな夜は
月や星は光さやかに
夢みるように煌めいている

そんな空をみつめながら
いつまでも安らかでいてほしいと願っている
子守唄を囁くように
母のように

空はまるでこどものよう
わたしたちは母のように
いつでも祈るようにみつめている

ちるnote『空はまるでこどものように』より


『Lovely pink』

花を買いました

かわいいピンクの
かわいい花を
自分のために買いました

やさしいピンクの
やさしい花を
自分のために買いました

ちるnote『自愛を込めて花を飾る』より


『リピート』

だって好きだし
ホッとするし
これでいいの
これがいいの

無難?
臆病者?
つまらない?
面倒くさがり?

そうかもしれないけど
だって好きなんだもん
ずっと好きなんだもん
一途 って言ってよ

ちるnote『リピートは愛のあかし』より


『歩く』

春、
白み始める東の空は
風がほのかに青く薫り
目の覚めてゆくわたしのように

夏、
太陽に眩む南の空は
蝉と共にジリジリと鳴き
しゃかりきになるわたしのように

秋、
暮れきれない西の空は
微かな光を優しく残し
諦めきれないわたしのように

冬、
静まりかえった北の空は
北極星が瞬いて
道は違ってないよとわたしに告げる

季節が巡る
新しい風が吹く
あるがままの空を眺めながら
少しずつ大きくなってゆく足跡を残して
わたしは歩く
ありのままに 
わたしらしく

ちるnote『歩いてゆく』より


『青春』

春の空は 抜けるように青く美しく
まっすぐに空へとのびてゆく飛行機も
明日にはどこかへ辿り着くはず
わたしの目には見えないみち
迷うことなく進んでいます
モクレンの蕾は祈るように見つめていました

春の海は 深く澄んで青く美しく
少し離れて立つ灯台は麗しくて温かい
まっすぐに白く瞬き
揺るがず守る眼差しに
思わず見惚れてしまいます
海は安心しきったように穏やかでした

春の風は 軽やかに青く美しく
踊りながらやってきて
そっと髪を撫でてゆきます
黄色いミモザに出会ったら
溶け合い グリーンへと生まれかわり
初夏の風になって きっと巡ってくるでしょう

春の花は 今年も咲いてくれました
どんな時も 誰も隔てることはなく
優しく語りかけています
囁きあうように風とそよげば
新しい光となってゆくのでしょう

希望と夢へかがやく春陽
未来へとみちびく春風
うつくしい きみへ
美しい 青い春に

ちるnote『青くうつくしく〜青春〜』より


『エール』

はじめはみんな
未経験からスタートします
緊張します
不安になります
しっくりこないかもしれません
失敗だって
たくさんすると思います

少し大きめのピカピカのランドセルや制服も
ちょっぴり背伸びしたスーツやパンプスも
初めての仕事も 場所も 仲間たちも
少しずつ時間をかけて馴染んでいきます

こわがらなくて大丈夫
みんなさいしょは一年生
そのことをちゃんとわかっている人が
周りには 必ずいるはずだから

ちるnote『うしろ姿が愛しくて〜photo BACK〜』より


『かゆいのかゆいの とんでいけ』

うれしかったり
はずかしかったり
はがゆかったり
もどかしかったり

ソワソワする
ヤキモキする
チリチリする
チクチクする

こころがかゆいときは
どうすればいいの?

かゆいのかゆいの とんでいけ

ちるnote『かゆいのかゆいのとんでいけ』より


『シンプル』

シンプルがすき
シンプルがいい
シンプルでいたい
シンプルに生きたい

ありのままで
シンプルにいこう

ちるnote『これからの基準〜Simple〜』より


『あじさいの花』

あじさいの花の咲くころ
この時期だけカラフルになる道がある

あじさいは、小さな花が集まって
まるいひとつの花のようになって
そんなまるがたくさん連なり
コミュニティを成している
この道の ずうっとむこうのほうにまで

社会もそんな感じかな
地球もこんな感じかな
宇宙の星々もこんなふうに
集合体がまぁるくなって
ぷかぷか浮かんでいるのかな

雨ニモマケズ
風ニモマケズ
ツヨク
ヤサシク
ウツクシク

元気をもらえるから好きです
6月も
あじさいの花も
しずかな細い一本道も

梅雨にはこのあじさいの道を歩く
天の川を渡るみたいに

ちるnote『あじさいの花の咲くころ』より


『そんなタイミング』

なにも 傷つかなくたっていい
なにも 自分を責めなくていい
もし 必要なのだとしたら、
またその場所に 新しく戻ってくるはずで
ぽっかりと空いたままには きっとならない
別れもあれば、出会いもあり、再会もあるから
そんなタイミングがきたときには
自分の心のままに受け入れる

何事も がんばりすぎないほうがいい

ちるnote『今、そんなタイミング』より


『乾杯』

おめでとう!
お幸せに!
おつかれさま!
頑張って!

祝福を込めて
感謝を込めて
労いを込めて
エールを込めて

近くても、 遠くても、
気持ちはつながるはずだから

さぁ いっしょに乾杯しよう

ちるnote『Cheers!〜乾杯しよう〜』より


『シェア』

おいしいものはひとりより
誰かと食べるほうがいい
たのしい音はひとりより
誰かと奏でるほうがいい
きれいな景色はひとりより
誰かと眺めるほうがいい

虹が出てるよ
花がかわいい
月がきれいよって
伝えたいなと思ったあなたは
わたしにとって大切な人

遠くに離れていたとしても
近くに感じられたらいいなと思う

笑うのは みんな一緒のほうがいい


【英訳】
『SHARE』

Better to have delicious food
 with someone than no one

Better to sing cheerful songs
 with someone than no one

Better to look at beautiful scenery
 with someone than no one

“There's a rainbow”
“The flowers are cute”
“The moon is beautiful”

If I want to tell you that
 you are my precious person

I wish I could feel close
 even if we are far apart

Better to laugh all together

ちるnote『よろこびをシェアしたい』より


『若葉』

やわらかな ちいさな若葉たちよ

どうぞ寒さに負けないで
与えられたそのいのちを
どうか生き抜いてほしい

ほら周りを見渡してみて
みんな個々ではあるけれど
どんなときも一人ぼっちじゃない

どうか つよく、たくましく
どうぞやさしく、ほがらかに
大きくひらいてゆきますように

ちるnote『スタート2024 ☆愛おしさを育んで』より


『巣立ち』

しあわせそうに 飛び交っている
自由に ほがらかにうたいながら
きみたちは いつ巣立ってきたの
その日のことを おぼえてますか
その日のきもち おぼえてますか
今まで どんな道を辿ってきたの
これから どんな景色に出会うの
またこの場所にも遊びにおいで
ね、かわいい小鳥たち

ちるnote『本日は晴天なり』より


『背中』

背中を見守る
背中を撫でる
背中を押す
背中を見送る

がんばってって
大丈夫だよって
背中をみている

慰めて
励まして
応援する

あたたかな手のひらや眼差しを受けた背中は
少し強く大きくなります
実はね
与えたほうも 強くなっているんです

ちるnote『背中』より


『つぼみ』

無事に咲きますようにって
その時を静かに待っていて
そっとつぼみがほころべば
わたしたちもほっとほころぶ

今にも咲こうとしているつぼみは
健気に満ちていて
とても うつくしく
ほほえむように咲いてゆく

ひらいたばかりのかわいい花は
春の風にちいさくゆれて
はじまりを告げているようだった
おめでとう

ちるnote『これから咲いてゆく花』より


『咲いてゆく』

新しい風
新しい場所
新しい出会い
真っ白なスタートライン
待ちわびていたつぼみたちは
どんどん咲いていきます

なにも 競うことはないからね
だれかと比べることはないよ
辛くなったら 花を思い出して
自分らしくありのままで
素直に咲いてゆけばいい

ちるnote『これから咲いてゆく花』より


『プレゼント』

おはよう と同じように
ありがとうと同じように
感謝を込めて
おめでとう を贈ります

こんなことしかできないけれど
とてもささやかなのですけれど
ありのままの気持ちを
どうぞ 受け取ってください

雨はあがり
光がさして
心地よい風のふく週末の午後
そこにはスズランが咲いていました

ちるnote『プレゼント』より


『まちぼうけ』

なにを待っているの
いつまで待っているの
動くこともできるのに
ただじっとしたまま
黙って待っていても
なにもやってきてはくれない

ちるnote『まちぼうけにはならない』より


『だいじょうぶ』

心配をかけてごめんなさい
心配してくれてありがとう
もうだいじょうぶだよ
ひとりじゃないから
さみしくないから
つよくなれたから
もう だいじょうぶ

ちるnote『ひとりじゃないからだいじょうぶ』より


***


「ちるのエッセイって どこか詩みたい」
そんなふうに言われたことがありました

詩…
わかってるつもりだったけど ちゃんと考えたことがなかった
初めてエッセイを書いてみようと思った時も、
エッセイってなんだっけ ってよくわからなくなって、そのことばの意味を調べるところから始めたんだった


1.  文学の一形式
自然や人などから受ける感興・感動を、リズムをもつ言語形式で表現したもの
押韻・韻律・字数などに規定のある定型詩と、
それのない自由詩・散文詩とがあり、また 内容から叙情詩・叙事詩・劇詩などに分ける
2.  漢詩

【 poem 】
【名】póuəm | póum
《複》poems
1. 〔韻文による一編の〕詩
2. 〔散文による一編の〕詩的作品
3. 〔詩のように〕極めて美しい素晴らしい経験や出来事



エッセイ
1.  自由な形式で意見・感想などを述べた散文
随筆、随想
自分が感じたことや体験したことなどを 自由な形式で書いたもの
2.  特定の主題について述べる 試論、小論文、論説文

【 essay 】
【名】ései
《複》essays
1. 文学作品の随筆、エッセー
2. 作文、小論文
3. (エッセー風の)映画、ドラマ作品
4. 〈文〉試み、企て
5. 〈文〉試練、苦難

【自動】eséi
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noteでは、エッセイと詩の区別にあまりとらわれず綴っていました
いつもの記事には さらに短歌まで載せているので、なんだかごちゃ混ぜ感があったかもしれません

けれど 道筋は同じです
すべてわたしの日常の延長線上にあります
表現している言葉も 実際に経験してきた感情で、内側からあふれたままに記しています
言葉のどこかに 何かを感じて ホッとしていただけると嬉しいです

どうぞよい一日を、よい一週間を

“ お疲れ様でした ”
 ー あなたに助けていただきました ー

短歌は♡の中へ…


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