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"少女よ、女性よ、大志を抱け"

3月8日は International Women’s Day(国際女性デー)

1904年ニューヨークで婦人参政権を求めたデモが起源となり、国連が1975年3月8日を「国際女性デー」として制定しました。以後、"すばらしい役割を担ってきた女性たちによってもたらされた勇気と決断を称える日" として、世界的に祝われています。



そこで今回は、何名かの女性著名人による名言を集めてみました。
ありきたりな方法ではありますが、こういった場合に起用されるのは海外の著名人が多く、日本人女性の名言というのはあまり目にしない気がします。

なので、日本人女性の著名な方の言葉もここでは集めています。
選定は超個人的な独断によるものですが、みんな一度は聞いたことのあるお名前たちのはず。




女性とはなんだろう。
女性を取り巻く環境はどんなものだろう。


時代に飲み込まれることなく強く生きてきた女性たちと、それらの言葉に勇気をもらい、自分も、周囲の人々も、エンパワメントしていく時間。ゆっくり耳を傾けてみて。



津田梅子

つだ うめこ
1871年に開拓使が募集した女子留学生の一人として、岩倉遣外使節団とともに数え8歳で渡米。初等・中等教育を受け帰国し、華族女学校教授になったが、再び米国に留学。ブリンマー=カレッジの生物学選科生となる。帰国後は華族女学校教授に復帰、のち女子高等師範学校教授を兼任。辞職後、女子英学塾(後の津田塾大学)を創立して、英語教育や個性を尊重する教育に努め、女子高等教育の先駆者となった。

環境より学ぶ意志があればいい。
高い志と熱意を持ち、少数だけでなく、より多くの人々との共感を持てれば、どんなに弱い者でも事を成し遂げることができるでしょう。


上野千鶴子

うえの ちづこ
東京大学名誉教授、NPO法人ウィメンズアクションネットワーク (WAN) 理事長、日本社会学会理事、元関東社会学会会長(2005年- 2006年)、元日本学術会議会員(現在は連携会員)、野村ホールディングスダイバーシティ・フォーラム講師、シューレ大学アドバイザー、「ヘイトスピーチとレイシズムを乗り越える国際ネットワーク」共同代表を務める。慰安婦問題の解決をめざす会に所属。日本のフェミニスト。

女はすでに十分頑張ってきた。今女たちが望んでいるのはただの女が頑張らずに仕事も家庭も子供も手に入れられる、当たり前の女と男の解放なのである。

結婚はしないと生きていけない生活必需品ではなく "贅沢品" です。結婚してもしなくても、人間は結局ひとり。自分の居場所くらい男に与えて貰うんじゃなくて、自分で作って欲しい。


佐久間裕美子

さくま ゆみこ
文筆家。1996年に渡米し、1998年からニューヨーク在住。出版社、通信社などを経て2003年に独立。カルチャー、ファッション、政治、社会問題など幅広いジャンルで、インタビュー記事、ルポ、紀行文などを執筆する。著書に「Weの市民革命」(朝日出版社)「真面目にマリファナの話をしよう」(文藝春秋)、「My Little New York Times」(Numabooks)、「ピンヒールははかない」(幻冬舎)、「ヒップな生活革命」(朝日出版社)、「テロリストの息子」(朝日出版社)。慶應義塾大学卒業、イェール大学修士課程修了。2020年12月に「Weの市民革命」を刊行して以来は、Sakumagとのバナーの元で市民コレクティブを結成して、気候変動から人権問題まで幅広いイシューに取り組み、企業や経営者にはたらきかけを行っている。

(トランプ大統領就任後に行われたウィメンズマーチで)
女性のためのマーチ、というタイトルはついていたけれど、男性の参加者もものすごく多かった。そういう男の人たちのおかげで自分たちも立ってるし、女性の権利も拡大されてきたんだってことを本当に肌で感じたから、一緒に歩いてくれてる男の人たちに、ものすごく感謝の気持ちが生まれましたね。

日本だと選挙はあるけど、おかみが決めたことにはあまり抵抗しないというか、諦めとか無力感みたいなもののほうが強くなってしまいがち。おかしなことにはおかしなことって声を上げないといけない。

あれも欲しいこれも欲しい、あれもやりたいこれもやりたいっていうのに突き動かされてるから。みんなもっとわがままになってもいいなと思ってる。日本人ってどうしても、私なんてとか、こんなことできないんじゃないかとか、控えめになってしまう。もっと自分のやりたいことや欲望に正直でもいいんじゃないかって思います。

2018/1/21 HUFFPOST


水原希子

みずはら きこ
アメリカ合衆国テキサス州ダラス生まれ、兵庫県神戸市育ち。女優、モデル、デザイナーとしてマルチに活躍。 2010年、トラン・アン・ユン監督が映画化した 「ノルウェイの森」でスクリーンデビュー。地球温暖化問題や人種差別、ジェンダー等の社会問題にも等身大の声をあげ言及し若い世代から支持を集めている。

操り人形みたいに生きるのは簡単ですけど、私は自分がやりたいと思うことをやっていきたいです。

反発でも共感でも、心に変化がもたらされることは、素敵なこと。自分だけの感情を持つって、大切なことだと思う。大きな流れに、同調する必要も媚びる必要もないの。

イメージって自分の手の外にあるんですよね。
周囲のイメージは気にならないし、気にしてはいけない。このスタンスが大事なんじゃないかな、と思います。


リナ・サワヤマ

ロンドン在住。ケンブリッジ大学卒業後から本格的にアーティスト活動を始め、作詞・作曲、プロデュース、ミュージックビデオの監督をするなど多才。The FADERで「2017年の知っておくべきアーティスト」、DAZEDの人気企画「DAZED 100(次世代を担う100人)」に選出された。VOGUEやi-Dなどファッション誌でモデルを務める他、VERSUS VERSACEやadidasなど、ファッションブランドのキャンペーンにも起用された。2019年6月には情熱大陸に取り上げられ、「ネクスト レディー・ガガ」と称される。

たぶん日本の学校とロンドンの学校は全然別の空間なんですよね。ロンドンは多様性の面では最高の場所で、一人ひとり全員が違う。だから大好きなんです。例えば「白人にならなきゃ」とか「周りに合わせなきゃ」って思ったことは一度もないです。みんなが違うから溶け込むこともできる。

インターネット上にはネガティブな感情がたくさん渦巻いているけど、私は自分の音楽を通じてポジティビティを広めたい。人々を幸せにしたい。私のやりたいことはそれだけです。

あとは正直で、オープンでいることかな。人生は本当に短い。どんな状況にいたとしても、常に感謝すべきものがあると思います。感謝して生きること──例えばいまは健康でいることも感謝すべきことですよね。
自分よりも恵まれていない人の存在を常に考えることも大事です。つまり、人間の行動を理解しようとするってことがたぶん一番の方法じゃないかな。他人や家族、友人、世界、政治……色んなことを知ることに繋がると思います。

2020年4月17日 She is



オノ・ヨーコ

東京出身の前衛芸術家、音楽家、平和運動活動家。イギリスのシンガーソングライターでビートルズのメンバーだったジョン・レノン(1940年 - 1980年)と結婚し、共に平和活動、音楽、創作活動を行ったことでも知られている。

ひとりで見る夢は夢でしかない。しかし、誰かと見る夢は現実だ。

普通でいようと思ってる。普通の女性。でも、普通の女性ってどんなだっけ。私は女性で、ヨーコ。それはいつもかわらない。

悲しみと怒りを経験するとあなたは創造的な気分になれる。そして創造的であれば、痛みやネガティブさの先へ行けるのです。


Margaret Thatcher (マーガレット・サッチャー)

イギリスの政治家、一代貴族。同国第71代首相(在任:1979年5月4日 - 1990年11月28日)。保守的かつ強硬なその政治姿勢から「鉄の女(Iron Lady)」の異名を取ったことで知られる。1980年代のイギリスで彼女の政権によって推し進められた経済政策は「サッチャリズム」と呼ばれ、新自由主義に基づき、電話・ガス・空港・航空・自動車・水道などの国有企業の民営化と規制緩和・金融システム改革を掲げ、それらを強いリーダーシップで断行した。

考えは言葉となり、言葉は行動となり、行動は習慣となり、習慣は人格となり、人格は運命となる。


Michelle Obama (ミシェル・オバマ)

アメリカ合衆国の法律家。イリノイ州シカゴ出身。 第44代アメリカ合衆国大統領バラク・オバマの妻で、アメリカ合衆国史上初のアフリカ系アメリカ人のファーストレディである。ミシェルがファーストレディになった事で、奴隷をルーツに持つアフリカ系アメリカ人の多くから親近感を持たれていると同時に、改めて自身のルーツを見直しはじめる黒人が増えている。

いつも自分自身に忠実でいること。そして、他人が言うことのせいで目指すべきゴールから注意をそらされないようにすること。これが私が育つうえで学んだことのひとつです。

つねに快適な暮らしを送ることができるわけでも、世界のすべての問題を一度に解決できるわけでもないかもしれない。でも、あなた自身が持つ重要性を決して過小評価しないで。なぜなら、勇気というものは伝染することがあり、希望というものはひとりでに大きくなっていくことが、歴史上起こってきたのだから。


Miuccia Prada (ミウッチャ・プラダ)

イタリアのファッションデザイナー。 ファッションブランド PRADA の創業者であるマリオ・プラダの孫。 ミラノ大学政治学科を卒業後、プラダのアクセサリー部門のデザインを担当しながらミラノ・ピッコロ座のパントマイマーなどの職を経て、1978年母親に請われ家族の会社である PRADA の経営に携わるようになる。1993年に彼女の家族の中だけで呼ばれていたあだ名がブランド名の由来となっている MIU MIU を立ち上げる。2007年には、荒牧伸志監督のCGアニメ『EX MACHINA』の衣装デザインを担当。

アートとは、あなたの知識をオープンさせ、新たな自己と出会える世界。


Beyoncé (ビヨンセ)

アメリカ合衆国・テキサス州ヒューストン出身のシンガーソングライター、ダンサー、音楽プロデューサー、女優。デスティニーズ・チャイルド初期からのメンバーで、グループではリードボーカル、プロデューサーも兼ねた。2010年、第52回グラミー賞において6部門で受賞し、女性アーティストでは史上最多受賞の記録を持つ。「最も才能に溢れたシンガーソングライター」「伝説的なディーヴァ」など、様々な面での極めて高い評価上の称号を有し、いつしか知名度はデスティニーズ・チャイルドを超え、ソロデビューからアルバム連続6作品すべて初登場1位を獲得した史上初の女性アーティストになった。マイケル・ジャクソンを敬愛している。

私たち女性は、自分に対する認識を変える必要があります。主導権を握れるような存在へと、ステップアップしなくてはならないのです。

私は昔から女性への機会均等に深い関心を持ってきました。少女たちは小さい頃から、将来なりたいもの何にでもなれる強さと能力を持っていることを教えられるべきです。世界中の女性に関する統計を変えられるかどうかは、私たち次第なのです。こうして今、日々を果敢に生き、次世代の若い女性の先例となるような女性たちと共にいることを私は誇りに思います。

CHIME FOR CHANGE by GUCCI



Lady Gaga (レディ・ガガ)

アメリカ合衆国のシンガーソングライター、音楽プロデューサー、女優、実業家、活動家。革新的なダンス音楽と、並外れた歌唱力、そして独特のファッションやパフォーマンスの数々で世界的な人気を博し、史上最も売れたアーティストの一人となった。2010年代に入ってからは女優としても大きな成功を収めている。 またジェンダー差別やいじめの撲滅に向けた運動を展開するなど、活発に社会貢献活動を行っている。

(手首にあるピースシンボルのタトゥーについて)
ひとつはもちろん反戦の意思表示として。そしてもうひとつは……ジョンとヨーコが『Give peace a chance(平和にチャンスを与えて)』と宣言したとき、それが具体的に何を意味するのか2人は詳しく説明しようとしなかった。『それだけのシンプルなこと』としか言わなかったわ。つまり、このタトゥーはシンプリシティのパワーを私に思い出させてくれるの。シンプルであれば魔法の薬がなくても誰にでも理解できて、チャンスを与えてあげさえすればいいんだってことを。

あなたに影があるなら、光が当たっている証拠よ。


Angelina Jolie (アンジェリーナ・ジョリー)

アメリカ合衆国の女優、映画プロデューサー、ファッションモデル。2000年の映画『トゥームレイダー』の撮影で、ロケ地のカンボジアを訪れたことをきっかけに、人道問題に興味を持つ。撮影終了後、UNHCRの職員とともに人道支援の現場に赴き、国際的支援を精力的に訴え、本格的に慈善活動を始めた。2001年UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)の親善大使に任命。その後、40ヶ所以上の人道支援の現場に足を運び、避難民の現状を訴えてきた。2012年4月、この熱心な活動が評価され、第10代国連難民高等弁務官であるアントニオ・グテーレスにUNHCRの特使に任命されている。2013年には、人道支援活動を通じた映画界への貢献を讃えられ、アカデミー賞のジーン・ハーショルト友愛賞を同賞史上最年少で受賞。

自分が育った環境から抜け出せなければ、世界がどれだけ大きいか知りようがないわ。

あなたが、医師であれ弁護士であれ、人権活動家や学生、教師、母親、妻、あるいはママの雑誌をパラパラとめくっているだけの少年少女であれ、どうやったらよりよい未来に自分が貢献することができるのか、今日は私と一緒に考えてみてほしいと思います。私たちのひ孫は、私たちが今下す決断の結果の上に暮らすのですから。



ところで、


言わずもがな、本稿タイトルは『少年よ、大志を抱け』をもじったもの。

知らない人はいないんじゃないかと思うくらい、小学校か中学校で習う有名な言葉。そしてなんだか夢のある言葉です。
この言葉を発したクラーク博士がいた当時はもちろん現在と色々なことが違ったでしょうし、異論を唱えるわけではもちろんないのですが、よく考えてみるとこんなことを思ってしまいます。


"少女" は大志を抱く必要はないのか?抱いてはいけないのか?と。


今思い返せば、この言葉を最初に聞いた幼い私は正直、特に何も思っていまなかった記憶があります。というか、むしろ少年のみに言及されていることに気づいてか、気づかずか、自分の性別がどうであれ関係なしに心を躍らせたような記憶がある。

きっと「大志を抱け」という部分に魔法の力があるので、性別なんて気にしないひとは気にしないまま、そのまま素直に受け止めた方も多いのではないかと思うので、つまるところ、少年も少女も、男も女も、そんなに関係ないんだろうなと思っています。大志を抱くことは誰にだって出来るし、性別で限定されるような行為ではない。

でも少年だけに言及されている部分を見るとやはり、少女や女性がこれまでどのような存在として扱われてきたのかという社会的な問題を少し紐解いていくような感覚になります。



国際女性デーは、婦人参政権におけるデモをきっかけに制定されました。これも女性の権利を主張した大きなムーブメントです。
当時の彼女たちにはきっと、女性に対する差別や権利不平等に対して怒りを感じ、女性のためにより良い社会を作るという大志があった。当時の社会的環境に屈することなく立ち上がった。

そして現代では少しずつ、女性に対する権利や平等性が重視され、より良い社会になっている。私たちが例えば今何かしらの大志を抱いたとしても、過去と現在とでは捉えられ方も違えば、叶えられる可能性のパーセンテージは圧倒的に違う。

そんな素敵な社会にちょっとずつ進んでいるのも、過去の女性たちのおかげなのです。



もしかしたら現代ではもう、差別や不平等性を感じる機会はほとんど無いのかもしれません。それは本当に素敵なことです。
でも何年か前では今とは違った状況、不平等な状況が当たり前にあって、目には見えないかもしれないけど、実は現代にもまだまだ引き継いでいることがあったりする。

国際女性デーをきっかけに、女性という存在の歴史を知り、そもそも女性とは何なのか、現代の私たちが望むことは何か、さらにより良い社会にするためには何が必要なのか、と、「女性」に向き合ってみるのも良いかもしれません。



昔の女性たちの勇気を無駄にしないためにも、現代の等身大の私たちに出来ることは何か、考えてみる良い記念日です。







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