探鳥会レポート<N湖畔キャンプ場編>2/3話 2022年7月 雨と傘とコマドリの歌声。
先日、N湖畔で行われた探鳥会に参加してきました。
湖畔を歩き始めたところで雷雨に遭遇し、次の場所に車で移動しました。
森の中にある駐車場はそんなに広くないので、車を詰め込みで駐車しました。
雨の方は小降りですが、外を歩くには傘が必要でした。
駐車場の周囲は背の高い針葉樹が多いので、ちょっと薄暗い印象を受けました。
雨は傘に当たってもほとんど音を立てず、静かに降っています。
車で待っていても良かったのでしょうが、みんな車を降りてきて周囲の木を見上げていました。
参加者のひとりはアメダスを見ようとスマートフォンを操作していましたが、電波の状態が良くないらしく、うまく表示できないとのことでした。
うまく表示できない中で分かったことは、大きな積乱雲がふたつできていて、ちょうどそのふたつの中間にいるらしい、ということでした。
傘をさしながら、参加者は雑談をしていました。
私が野鳥の会のゆる支部とニコ支部をかけもちしているので、もう一つの支部の様子を質問してくれた方もいました。
と言っても、流行病の影響で、探鳥会を開催するようになったのは本当につい最近のこと、あまり詳しい語はできなかったのでした。
ゆる支部の会長が声を上げました。
元教師だというその声は周囲によく通るのでした。
「みなさん、鳴き始めましたよ」
口をつぐむ参加者一同です。
ヒン、カラカラララ
まさか……コマドリ?
そう思った瞬間
ケキョケキョケキョ……
ウグイスが大きな声で鳴いて、かき消してしまったのでした。
ちょうどここで雨が土砂降りになりました。
ふたつめの積乱雲が到着したようです。
参加者はみんな慌てて各自の車に避難しました。
車に乗り込むときにキャンプ場に移動するよう役員の指示が聞こえてきました。
鳴き声の主がコマドリだったのかどうか、確認できないまま、キャンプ場に車を移動させました。
3につづく。
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