【オンライン授業】『いろどり 生活の日本語』第1課の使い方を考えてみる②


前回までのおさらい


このシリーズ、前回のnoteから2ヶ月以上も開いてしまいました…。
ライフワークとして進めていますので、気長にお付き合いいただけると幸いです。

「第1課の使い方を考えてみる①」では、L1-1ページからL1-3ページまで進めました。今回は第1課の残りを考えていきたいと思います。

ここで、このシリーズのクラスの設定をおさらいしておきます。
【Chippiの日本語教室】
(ここに書かれている設定はすべて架空のもので、実在しません。)
形式:Zoomによるオンラインレッスン(PC推奨)と自主学習
LMS:Google Classroom
人数:16人
時間:Zoomレッスンは30分以内
メイン教材:『いろどり』
学習者のコース開始時のレベル:A1(『まるごと 入門』のかつどうとりかい修了済、『みんなの日本語』であれば初級1が半分以上終わったくらい。ひらがな、カタカナは問題なく読み書きできるレベル)

2.日本に来てどのぐらいですか?(L1-4)

Can-do 02: 身近な人に聞かれたとき、自分の近況を簡単に話すことができる

(1)リスニング

まずはじめの活動はリスニングですが、これはL1-1同様にGoogle formで実施し自習活動とします。

①音声データを限定公開でYouTubeにのせる。
②そのYouTubeのリンクを使って、Google ClassroomからGoogle Formでクイズを作成。
③Google Formの自動採点を利用できるよいに「こたえ」の設定も忘れずに。
④期限を設定して学生に通知。

前回も書きましたが、Google formはGoogle Classroom内からテストを作成した方がその後の成績管理がやりやすくなります。

L1-5の「形に注目」まで、この自習活動で行ってもらいます。

(2)自分の近況を話しましょう

Zoomセッションで実施します。

Zoomでは会話練習がメインですが、まずは事前学習のフォローアップをします。L1-4, 5でわからなかったところ、難しかったところを聞いたり、小テストの結果を見て間違いの多かったところを説明したりします。特にこの課では「形に注目」の中で、期間の表現が出てくるので、既習である月日との違いを説明した方がいいかもしれません。この期間の表現がこのあとの会話練習でも必要になってきます。

それから、本題に入ります。

①PPTを使い、会話を見せながら会話を聞く<全員>
②参加者は全員ミュートにして、会話のシャドーイングを行う<全員>
③PPTでことばをかえるところを示しながら会話のアレンジ例を全員で確認したあと、ブレイクアウトセッションでペアに分かれ練習します。教師は各セッションを巡回します。<ペア>
④全体にもどり、数ペアに発表してもらいます。<全員>

3.日本では何をしていますか?

Can-do 03: 日本でしている仕事について、簡単に話すことができる。

ここでは主に「特定技能」で来日する人の職業の表現が出てきます。

(1)事前学習

「L1-7」に出てくる仕事の中から一つ選んで、
・どんな仕事・学校か
・1日のスケジュールはどんな流れか
・おもしろいこと、たいへんなことは何か
を調べてきてもらいます。
インターネットで調べるもよし、同国の知り合いがいればインタビューするもよし、リソースは学生におまかせしましょう。
次回のZoom セッションでそれぞれ発表してもらいます。
16人と多いので、事前学習をグループ活動にするのもありですし、個人個人でやってもらっても面白いと思います。

(2)事前学習の発表

Zoomで実施します。
9つの職業の中から1つ選んで調べてきたことについて1~2分で発表してもらいます。聞き手は、Zoomのチャット機能を使って、質問を書き込みます。このセッション内に1回以上質問することといったルールを設けておくと、みんながんばって質問を考えてくれるんじゃないかと思います。

(3)リスニング

Google formで実施し自習活動とします。

①音声データを限定公開でYouTubeにのせる。
②そのYouTubeのリンクを使って、Google ClassroomからGoogle Formでクイズを作成。
③Google Formの自動採点を利用できるよいに「こたえ」の設定も忘れずに。
④期限を設定して学生に通知。
L1-7とL1-8をこの自習活動でやってもらいます。

(4)形に注目

ここでは、職業をいうときの「〜ています」が出てきます。
Zoomセッションで、ディクテーションを一緒に実施し、
文法ノート4も使いながら、ていねいに形を確認しましょう。
て形は既習のはずですが、なぜここで「〜ています」を使っているのかをディスカッションして、理由を考えてもらいましょう。

(5)会話

Zoomセッションで実施します。(4)の形に注目と同じセッションで計30分以内におさめられるのではないかと思います。難しければ2回にわけてもいいでしょう。

①PPTを使い、会話を見せながら会話を聞く<全員>
②参加者は全員ミュートにして、会話のシャドーイングを行う<全員>
③PPTでことばをかえるところを示しながら会話のアレンジ例を全員で確認したあと、ブレイクアウトセッションでペアに分かれ練習します。教師は各セッションを巡回します。<ペア>
④全体にもどり、数ペアに発表してもらいます。<全員>

(6)事後課題「漢字のことば」

教師は漢字のことばの語彙、文を録音し、教科書のスクリーンショットを入れたビデオをつくり、YouTubeに限定公開でアップします。それをもとにGoogle formを使い、3のキーボードやスマートフォンで入力を実際にGoogle formの小テストでやってもらいます。

(7)文法ノート

これについては、授業としての解説は行わず、個人で読んできてもらいます。
Google Classroom内に、「第1課の文法ノートについてはなしましょう」というスレッドを立て、質問はここでしてもらうことにします。
そうすることでお互いに他の人の質問を見ることができますし、
学生どうしで質問をし合うこともできます。

まとめ

これで、第1課が終わります。
これくらい丁寧にやると、1日あたりの授業時間数にもよりますが、第1課を終えるのに1週間くらいかかるのではないかと思います。
計10時間くらいを想定しています。

①と②を読んでもらうとわかりますが、いろどりをベースにした授業の組み立てはある程度パターン化できます。
そこに、Webサイト「ひろがる」の視聴を入れてみたり、アレンジ会話を録音する活動を入れてみたり、職業について調べる調べ学習を入れてみたりしています。

次回は、そのパターン化をもう一度きれいにまとめたあと、
その次の回から、第2課以降で使えそうなプラスアルファの活動について考えていこうと思います。


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