見出し画像

*2024年夏ドラマ『海のはじまり』

最終回まで終えたので感想を書きます。
観てなかった人にもぜひ想像して欲しい。

人は、いつどのように“父”になり、いつどのように“母”になるのか。この時代だからこそ伝えたい“親子の愛”を通して描かれる“家族”の物語。

公式サイト/イントロダクション

全12話+特別編

最近の日本のテレビドラマでは珍しいボリューム。そしてこの全12話と特別編で何か壮大な物語(昨年夏に放送されてた某TBSドラマみたいな?)を描くわけではなく、ただひたすらに日常を描いてくれた。やっぱり生方美久さんが描く物語やこの制作チームが届ける作品って、なんだかその世界を覗かせてもらってるような感覚になる。生方さんから生み出される作品の登場人物はみんな本当に存在していて、今もどこかで暮らしているような。リアルな世界ではなかなか身近に感じられない生き方や関係性でも、その人たちが抱く感情や取る行動や発する言葉は、私たちもいつか経験していたりこれから経験するかもしれないものばかりで、それがとても丁寧に描かれてる。だからワンシーンワンシーンを見逃したくないって思えて、その世界に没入してしまう。何度も観たくなる。海のはじまりもそんな作品だった。私は大好き。

インタビューも素敵だからぜひ。
このインタビューを先に読んでてよかったなと私は思ってます。


以下、ネタバレあります。
まだ観てない方はぜひ観てから読んでね。

人は、いつどのように父や母になるのか?

公式HPにある問いかけの答えを教えてくれているのだとしたら、水希の手紙の中にあった言葉じゃないだろうか。

始まりは曖昧で、終わりはきっとない。

#12「夏くんへ」水希からの手紙

第1話冒頭で出てくる海のシーン。そこで海ちゃんから問われる「どこから海?」と「どこが終わり?」という疑問。それは第1話のラストに海ちゃんから問われる「ママ終わったの?」と「夏くんのパパ、いつ始まるの?」とリンクしていて、それはタイトルにも繋がる。改めて振り返ると水希は最初からその問いに答えてたのね。夏くんだって「終わったんじゃないよ」って答えてた。
今思えば、この答えを作品全体を通して一貫して伝えてくれてたんだなって思う。

第1話も最終回もこの海のシーンにはもっといろんなことが詰め込まれてると思うけど私の語彙力じゃまとまらない。

“家族”とは

この作品にはいろんな形の“家族”が描かれてた。血のつながりはないけど仲のいい家族だったり、血のつながりはあっても仲良くない家族だったり、“家族”になれなかった“つながり”だったり。

生方さんが伝えたかったのは、“家族”という形に拘ったものではなくて、人と人とのつながりや愛情だったのかな。

“家族”の形はそれぞれで、血のつながりだけが“家族”になる訳じゃない。でも“家族”に拘るとするとやっぱり血のつながりはなかなか切りづらいものなのかもしれなくて、津野くんが言っていた「そばにいただけの他人」は弱いものなのかもしれないとも思った。

ちょっとまとまらないけど、、
海ちゃんの「いてね」とか「パパやらなくてもいいけど、いなくならないで」とか。海ちゃんが家出した時に津野が夏に言った「いる」「いない」じゃなくて「いた」「いなくなった」とか。一方で、朱音さんが弥生に対して抱いた「わたし母親やれますって顔してた」とか。
家族とか、親・子供や兄弟とかの関係に「やれる、やれない」って、なんだろうね?って思った。
なんとなくだけど、使い分けされてたような気がする。

どんな“家族”になるのか?
どんな“つながり”があるのか?

それはどんな選択肢が広がっているか、そして、どんな選択をするのか。その選択の違いが生み出すものなのかも。その連続が、それぞれの形となって物語になっていくのかな。

余談

登場人物のひとりが自分と同じ名前でした。相関図見て知った時はテンションあがっちゃった!作品ではあまり名前呼ばれない役だったからちょっと残念だったけど、たまに字幕で見てたりネット記事や番組情報とかで名前が記されてるの見るたびにニヤニヤしてた。
登場人物をとても大事にされる生方美久さんが主要人物にこの名前を付けてくれたというのがとても嬉しい。それを偉大な俳優さんが演じてくれたのも嬉しい。
このことを知って、この作品には縁があるから絶対タイムリーで観るべきや!と心に誓いました。


以上。本当は各回ごとにメモってる好きなセリフとか感想とかいろいろ全部誰かと共有したい気持ちもあるけど公の場では留めておきます。

とても素敵な作品でした。楽しませていただきました。観てよかった!ありがとう!

この記事が参加している募集

最後まで読んでいただきありがとうございます。少しでも「スキ」と思っていただければ嬉しい限りです。