短編『何も気にならなくなる薬』その301

喉が痛い。
寒気がする。
あぁ、風邪だ。
汗を掻く。
水分が欲しくなる。
部屋着が濡れて気持ちが悪い。
鼻水が出る。
痰が絡む。
食欲はある。

しかし、用意するのはしんどい。
文明の利器に頼る他ないのだろう。
電子レンジで作れるおかゆは重宝する。
もう少し塩分がほしいとおもいつつも、なるべく余計なことをしない。
はちみつが喉にいいと聞く。
今までの生活とは全く違うことが連続する。
人間はこんなにも弱いのか。
別に普段から強い訳ではないが、病というものは身体も心も弱らせる。
病は気からとはいうが、治そうという気概がなければおそらくはこのまま気持ちが沈んでいってしまうのだろう。
あぁ、早く直してしまおう。