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溶けちゃいそう

おはようございます。この暑さにもなんとか耐えている温順な魚亭ペン太です。

それにしても朝方は暑いですね。話の切り口が話題のない人との会話みたいですけれど、とにかく暑い。

どちらかというと「熱い」のほうが適切に思えるくらい、まるでアスファルトの道路は鉄板ですね。

田舎の方だと道路の上にミミズが焼きそばみたいになっているんでしょうけれど、流石にこの辺じゃあ見かけませんかね。

熱中症警戒アラートが出ましたから、熱中症に気をつけたいですね。いろんな対策がありますが、まずひとつ言えるのはこまめな水分補給ですね。それに加えて、世の中には熱中症予防グッズが溢れかえってますから、各々選んでもらえればと思いますけれど……

とかくまぁ、こんなに暑いですと飲み物、アイスが欠かせないわけですけど、このときに選び方で好みとかセンスとか出てきますね。

アイスも色々種類があって、ソフトクリームにカップアイス、モナカ生地に挟んだもの、かき氷や文字通り氷に味付けをしたシンプルなものまで色々あります。

味付けはバニラにチョコレートとか、いちごやオレンジなどのフルーツフレーバー、練乳とか小豆とか和テイストのものまで様々。

そこは好みで選んでいただいて結構なんですが、ただ困るのがアイスというのは、もれなく溶けるんですよね。

そりゃそうだって話ですけれど、本来凍っている、冷えているというのが前提のアイスクリームが溶けると、ただの甘い液体になってしまうんですよね。ましてや氷菓子はただの甘い水ですからね。

そこでですよ、私がおすすめしたいのが「井村屋あずきバー」硬くて長持ちする……そんな氷菓子です。

買ってすぐ食べようとすると歯が折れるのではないかと思えるくらい固いので、早々簡単には溶けません。小豆の味がしっかりしていて、氷菓子だから体も冷える。

そして、こう、温かいお茶が欲しくなるような……そんなことしたら本末転倒ですけれど、緑茶が合いそうな氷菓子です。

とまぁ、私のおすすめはともかく、各々好きなアイスに飲み物で涼を取ってもらいたいものですが、昔は涼をとるにも苦労をしました。

日陰を作るために工夫をしたり、氷柱を並べてみたり、涼しそうな物、たとえば風鈴の音を聞いたり金魚を眺めたり、うちわの柄も涼やかなものにするなど、目や耳から涼しさを感じる工夫をこらしていたそうで。寒天などの中に涼しげな模様を作って売っている和菓子屋もあったそうで。昔の人は想像力が豊かだったようです。

ですからこの金魚売りの売り声を聞くだけで涼しくなる人もいたそうで……

「めだーか〜、きんぎょーぇ〜」

「あー、金魚屋さんだ。夏だねぇ、あぁして売り歩いてくれるだけで涼しく感じるんだから不思議なもんだなぁ」

「かちわりっ! かちわりっ!」

「かちわり屋さんだよ。大きな氷を運んでるんだろうね。あぁ、涼しい」

「ねぇ、お前さんの風流は度が過ぎてるよ。打ち水のし過ぎで家の前が水浸しだよ。それになんだい、この風鈴の数は……耳が痛いよ。なんでこう食べられないものに無駄金を使うかね……それにね、あんたの独り言は暑苦しくてたまらないよ、静かにしとくれ」

「まぁ、そう、言わずに。イライラするだけで涼が逃げるよ」

「あぁ、そうですか、じゃあ、あとは好きになさいよ」

「どこにいくんだ」

「あんたが涼めるように出ていくんだよ」

「おいおい、冗談言っちゃいけないよ、子供まで連れていくことないじゃないか」

「あんたと一緒はごめんだよ。人が切り詰めてるお金を湯水みたいに使うんだから、もう付き合ってられないよ」

「何を言ってるんだ。元はと言えばお前が暑い暑いっていうから俺は涼しくしてやろうと色々考えてやったんじゃないか、それだというのに、暇さえあれば暑い暑いと言いやがって、それならこの風鈴三十個も金魚五十匹も氷柱二十本も全部返しに行ってくるからな。いまさら、涼しいなんて言っても遅いからな」

「じゃあ、全部元に戻しなよ、部屋中鬱陶しくて仕方ないんだよ」

「知らないからな」

そういって吊るしてある風鈴を片っ端から外そうとするも勢い余って一つ落としたかと思うとこんがらがって三つ四つとパリンパリンパリンパリン。

「何やってんだよお前さんは、部屋の中散らかして、坊やが怪我したらどうするんだい」

「うるさいなぁ、え、あれ、金魚のやつひっくり返ってやがる。背中に日が当たって暑いからってそれはどうなんだい。ほら、おきなよ、氷を入れてやるから」

「ばか、それじゃあ、氷を返しにいけなくなるよ」

「元は氷だといえばいいんだ」

「じゃあ、なかの金魚はどうするのさ」

「うーん、それなら、寒天にしてもらう」

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魚亭ペン太(そのうち公開)
美味しいご飯を食べます。