短編『何も気にならなくなる薬』その240
・高級車
世の中には贅沢というものが沢山あるが、大概の贅沢はなくてもいいもの、ないしはそれよりも安価で事が足りるものが多い。
車という概念に対してブランドや便利さという価値を付与していくと高級車になる。
エンジンがついていて、ガソリンを入れれば走るという理屈は全く同じものなのに。
だが、実際にその価値を理解して乗っている人達はその違いをはっきりと説明してくれる。
これもやはり知らないことによる偏見なのだろう。
・三者三様
3人ともパチンコで時間を潰していたそうですが、どの台もサンヨーでした。
・睡眠障害
「先生、私眠れないんです。眠れないのでスマホで動画をみたり、コーヒーを飲んだり、運動をしてみたりちっとも眠れないんです。もしかして恋の病でしょうか」
「ある意味、故意ですね。では、寝る前に勉強をしてみては」
「勉強は駄目です。すぐに意識がなくなっちゃう」
・ブロッコリー
好き嫌いの激しい子供
「ブロッコリーはイヤ!」
「カリフラワーは?」
「カリフラワーは好き」
「ピーマンはイヤ」
「パプリカは?」
「好き!」
・輪投げ
夏祭りの輪投げの屋台
「あの、的はどこですか」
「おじさんの首だ」
・プール
「私、もういい大人なんですけどプールは駄目なんです」
「溺れかけたことでも?」
「いえ、粗相をしてしまったので」
・他力本願
「君、この問題はわかるかい」
「いえ、私にはとても、先生はどうですか」
「うむ、私としては解くことは容易だが、君に理解をして貰うためにはどう解いたらいいかがわからない」
「途中式をみたら、私にもわかるかもしれません」
「いや、その途中式が出てこないのだ」
・邪魔者
「私にとってあなたは邪魔なの」
「どうして」
「私の恋敵だから」
「いったい誰が好きなの?」
「あなたの息子さん」
「それなら難しいわよ、私が言うのもなんだけど、あの子マザコンだから」
・学生
「今日のテストはどうだった」
「全く駄目」
「そうか、あんなに勉強頑張っていたのな、原因は何だと思う?」
「教科が間違ってた」
・仲介業者
「当社はあくまで仲介ですので」
「それじゃあ先方と直接連絡が取れないじゃないですか」
「仲介なら致します」
「その仲介がよくないんですよ。この間だって見積書の桁が一桁間違っていたし、取引先の人の名前も間違えていた。貴方がたが間に入ると話が余計にややこしくなる。あなたのせいで取引ができなくなったらどうするんですか」
「そうはいいましても、向こうからその方向で頼まれているんですよ」
美味しいご飯を食べます。