「文章を書く」こととの出会い
「書き出しを会話にすると臨場感のある文章が書けるよ」
小学校5年生の秋、宿泊学習のオリエンテーリングで起こったことを書いていた私に添削してくれた担任の先生。それまでの私の文章は「前日の雨から一変して今日は快晴で…」といった時系列で書いていた。
最初の段落はほとんどなくなって、先生が指摘したその通りに直して出した文章が近隣小中学校の生徒が書いた文章を集めた文集で小学校を代表して掲載されたのだった。
「宿泊学習の作文で優秀な作品はラジオで読まれるかもしれない」
という言葉に真剣になって書いた作文。その時の体験が私が文章を書くこととの「出会い」である。
小学校5年生の時に担任だった先生は年配の男性で、まずは朝日新聞茨城版「小さな目」という詩を掲載されることを目標に詩をノートに書いて添削を受けるところからスタートした。
詩を書くことはあまり好きではなかったが、それでも宿題として出していくうちに先生からの「合格」をもらい、朝日新聞に応募。
実際に朝日新聞茨城版に掲載された時は「やったー」という気分で家ではしゃいでいたという微かな記憶がある。
そして、次の目標は茨城放送の「ぼくの作文、わたしの作文」コーナーで読まれること。理由は良くわからないけど、私は無我夢中でオリエンテーリングで起こったことを原稿用紙に書いていった。気付いたら原稿用紙5枚という小学生としては「長文」になってしまった。
茨城放送への作文は原稿用紙3枚までという「ルール」があって、私の作文は優秀賞選外となったことでがっかりしていた。
そんな中で担任の先生が文集の編纂を担当していたこともあり、私の作文は文集に載ることになった。実際に文集を手にした時に嬉しい気持ちと誇らしい気持ちなど様々な感情が沸いてきた。その時の感動は今でも忘れない。
文章を書くことは考えること
これからも様々な文章を見たり書いたりする中で、文章添削士として「文章を書くことの楽しさ」を伝えて1人でも多くの人が「文章を書くのが好き」だと思ってもらうのが私の願いである。