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古今集 巻ニ 春歌下 91番

春のうたとてよめる

よしみねのむねさだ

花の色はかすみにこめて見せずとも香をだにぬすめ春の山風

春の歌をということで詠んだ歌
良岑宗貞
桜の花の色は霞が立ちこめて見せなくても香りだけでもこっそり持って来てくれ、春の山の風よ

 あの家の女性はいつもすだれをおろしていて顔を見ることはできないが、香りだけでも知りたい、つまり手紙の返事がほしい、という意味でもあるでしょう。
 良岑宗貞は僧正遍昭の俗名です。お坊さんが、このような恋の歌を読むことがよくありますが、実際に恋していたわけではなく、こういう情景であったら雅やかでしょうね、という想像による創作や、出家前はこんな恋をしましたよということだと思います。

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ちのみゆき
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