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古今集巻第二十 神あそびのうた 1085番

かへしもののうた
よみ人しらず
きみが世は限りもあらじながはまのまさごのかずはよみつくすとも
これは、仁和の御べの伊勢国の歌

返し物の歌
詠み人知らず
君が世は限りもあらじ、長浜の真砂の数は読み尽くすとも
これは、仁和の御嘗(おほんべ)の伊勢国の歌

大和琴を呂調から律調に返すときの歌
詠み人知らず
帝の御治世は限りがありません、とても長い浜辺の砂の数を数えて読み尽くしても、御治世はまだ続いているでしょう
これは、光孝天皇の仁和(にんな)の大嘗祭の伊勢国の歌

「長浜」は、伊勢国のどこかの地名です。とても広く長い浜辺という一般名かもしれません。ただ、こういう歌は、帝に伊勢国を知って頂きたい思いがあり、また国をほめたりもするので、実際にどこかを具体的に指すことの方が多いように思います。三重県の四日市、鈴鹿、津あたりはかなり長い砂浜の海岸ですし、斎宮があった伊勢市の海岸にも砂浜があります。

光孝天皇の大嘗祭は元慶8年(884年)で、翌年が改元されて仁和元年です。仁和の帝(小松帝とも)とお呼びするので大嘗祭も「仁和の御べ(おほんべ)」と言うようです。

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ちのみゆき
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