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古今集 巻一 春歌上 27番
西大寺のほとりの柳をよめる
僧正遍昭
あさみどりいとよりかけて白露を玉にもぬける春の柳か
西大寺のそばの柳の木を詠んだ歌
僧正遍昭
薄い緑の糸をよって白い玉を通した飾りのように春の柳の枝に露の雫が美しい
若い柳の枝に露がついた状態を、あさみどりの糸を縒ってガラスとか水晶の玉に通したものに見立てています。似ていると言えば似ていますが、露の雫を玉に例えるのは和歌にはよくあるように思います。最初に誰が言い始めたのかは不明です。
西大寺(にしのおほてら)は京都の寺です。東寺に対して朱雀大路の反対側にあった官寺の西寺です。東寺は弘法大師空海の拠点として与えられましたから、西寺は国家鎮護や朝廷が僧侶に資格を与える戒壇やの官寺として運営されていたようです。でも、比叡山、高野山、園城寺、奈良の東大寺、興福寺などが宗教的にも政治的にも力をつけたので、次第に重視されなくなり、鎌倉時代以降に廃れます。いま西寺跡は公園や小学校、住宅になっています。最近も発掘されています。
僧正遍昭は良岑宗貞、六歌仙。
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