古今集巻第十四 恋歌四 687番
題しらず
よみ人しらず
あすか川淵は瀬になる世なりとも思ひそめてむ人はわすれじ
題知らず
詠み人知らず
飛鳥川の淵が瀬に変わる世になっても、思いに染まった人のことは忘れない
世の中が変わっても、あなたへの想いを忘れることはない、という歌です。
飛鳥は古都ですし、飛鳥川は明日香川とも書くので、それだけで時間の流れを表します。深い淵が浅瀬に変わるほど時が経っても、あなたを思い初めた、あなたへの思いに染まったわたしの心は変わらないと言っています。
「思ひそめてむ」の「そむ」は「初む」「染む」の両方の意味にとれます。
「てむ」は、完了の助動詞「つ」の未然形「て」+意思の助動詞「む」の連体形です。
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