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古今集巻第二十 神あそびのうた 1082番

かへしもののうた
よみ人しらず
まがねふく吉備の中山おびにせるほそたに川の音のさやけさ
この歌は、承和の御べの吉備国の歌

返し物の歌
詠み人知らず
真鉄(まがね)吹く吉備の中山、帯にせる細谷川の音の清けさ
この歌は、承和の御嘗(おほんべ、おほんにへ)の吉備国の歌

大和琴を呂調から律調に返すときの歌
詠み人知らず
鉄を吹く吉備の中山が帯にする細谷川のせせらぎの音は清々しい
この歌は、仁明天皇の承和の大嘗祭の時の吉備の国の歌

「真鉄吹く(まがねふく)」は、フイゴで風を送るたたら製鉄のことと思います。吉備は古代の鉄の産地です。
「吉備の中山」は、どこかは不明ですが、吉備津神社あたりとも言われています。
仁明天皇の大嘗会が行なわれたのは833年です。
この歌とよく似た歌が、万葉集巻七1102番にありますが、奈良の三笠山の歌です。
「大君の三笠の山の帯にせる細谷川の音のさやけさ」

鉄の生産は国の発展に繋がりますから、天皇陛下の御即位に伴う大嘗祭に際して和歌にして祝います。

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ちのみゆき
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