古今集 巻一 春歌上 22番
歌たてまつれとおほせられし時、よみたてまつれる
つらゆき
春日野のわかなつみにや白妙の袖ふりはへて人のゆくらむ
歌を詠んでみよと仰った時に詠んで進上した歌
紀貫之
春日野の若菜を摘みに行くのか、白妙の姿で袖を振って合図して人がゆく
袖を振って、こちらに合図しているのか、誰かに合図しているのか、複数人で袖をふりあっているのか、一人で袖を振りながら行くのか、そこはよくわかりません。女性たちが楽しそうに若菜を摘みに行くのを、男も嬉しそうに眺めている、そういう感じだと思います。
春日野なので奈良ですが、立春後に若菜を摘みに行くと言えば春日野だろうというような、決まり文句のようなものでしょう。
歌を詠んでみよとおっしゃったのは、宇多天皇(上皇)か醍醐天皇か朱雀天皇。
「袖ふりはへて」は、袖をわざわざ振って、といいう意味。
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