古今集 巻ニ 春歌下 115、116、117、118番
紀貫之の歌が4つ続きます。
志賀の山ごえに女のおほくあへりけるによみてつかはしける
つらゆき
あづさ弓はるの山べをこえくれば道もさりあへず花ぞ散りける
京都から滋賀へ越える道で多くの女に出会ったので詠んで送った歌
紀貫之
あづさ弓を張るようなたおやかな春の山辺を越えて来たら、道に避けられないほど花が散り、花のような美しいあなたたちを避けて通るのも難しい
寛平御時きさいの宮の歌合のうた
つらゆき
春の野に若菜つまむとこしものをちりかふ花に道はまどひぬ
寛平御時きさいの宮の歌合のうた
紀貫之
春の野で若菜を摘もうと来たのだけれど、散り交じる花びらで道に迷ってしまう
山寺にまうでたりけるによめる
紀貫之
やどりして春の山辺にねたる夜は夢のうちにも花ぞちりける
山寺に詣でた時に詠んだ歌
紀貫之
お寺に泊まって春の山辺に眠った夜は夢のなかでも花が散っていた
寛平御時きさいの宮の歌合のうた
紀貫之
吹く風と谷の水としなかりせばみ山がくれの花を見ましや
花を散らす吹く風と花びらを流す谷の水がなかったなら、美しい山に隠れた花を見に行きたいものだ
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