春のとく過ぐるをよめる
みつね
あづさ弓春たちしより年月のいるがごとくもおもほゆるかな
春が早くに過ぎるのを詠んだ歌
凡河内躬恒
梓弓の絃を張ったようにきりっとした立春から時間は矢を射る早さで過ぎるように思えるものだ
梓弓は春の枕詞なので訳さなくてもいいのでしょうけれど年月が射るように早く過ぎる、と受けているので訳に入れてみました。
意味は「光陰矢の如し」と同じですが、この歌では「光陰」という言葉は使われていません。この言葉が既にあったのかどうかは不明ですが、時間がたつのが早いという思いは当時からあったということでしょう。
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