岩波少年文庫を全部読む。(102)ポジティヴシンキングとNIMBY(Not in my Backyard) エリナー・ポーター『少女ポリアンナ』
『少女ポリアンナ』(1913。谷口由美子訳、岩波少年文庫)は、エリナー・H・ポーターの小説です。
舞台となるのはヴァーモント州ベルディングズヴィル。架空の街だそうです。
「寄る辺ない幼い主人公+冷たくとっつきにくい保護責任者」という鉄板コーディネート
裕福なポリー・ハリントンは、冷たくお硬い性格。
まずこの、寄る辺ない幼い主人公を押しつけられる(あるいは引きとる)大人──親族であれ、他人であれ──が頑固もので厳格な、とっつきにくい性格であるというのは、シュピリの『ハイジ』(1881。上田真而子訳、岩波少年文庫)のロッテンマイヤーさんやバーネットの『小公子』(1886。脇明子訳、岩波少年文庫)のドリンコート伯爵以来の、世界名作劇場系児童文学の定石です。
『ポリアンナ』も《世界名作劇場》枠でしたね。
ポリー伯母さんは、亡き妹ジェニファーへの義理立てで、遺児ポリアンナ・ホィッティアを引きとります。
ほんとは11歳の子どもとなんか暮らしたくないのです。そしてその本心を、当人の前で隠しません。
glad gameはポジティヴシンキングのルーツ
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