ヴァイオリンを弾きこなし英独仏羅と多言語を解しボクシングと柔術の心得もあるスーパーボーイ 岩波少年文庫を全部読む。(143) エリナー・H・ポーター『ぼく、デイヴィッド』
エリナー・ポーターの長篇小説『ぼく、デイヴィッド』(1916。中村妙子訳、岩波少年文庫) 10歳のデイヴィッド少年は、山腹を切り開いたところで、父とふたりだけの、心静かな生活を送っていました。
父が体調が悪化し、みるみる重病となり、谷へと降りなれけばなりません。
父はいまわの際に、デイヴィッドに大量の金貨を渡し、必要なときがくるまで隠しておくようにと言います。
父のために、デイヴィッドはヴァイオリンを弾き、農場主のシミアン・ホリーとその妻エレンに見つかります。
名字はまだない
デイヴィッドは世間から隔絶されて育ち、自分の姓を知りません。
だから、ホリー夫妻に問われても、親戚がいるかどうかすら答えることができないのです。
死んだ父は手紙を遺していましたが、そこにある署名は判読できないものでした。
ここから先は
2,525字
書籍『読まず嫌い。』の本体価格と同価格(一括)で、同書の内容を再構成したもの+〈文學〉についての有料単発コラム+マガジン購読者限定無料記事を配信。このマガジンを購読すると、有料マガジン「文学理論ノート」ももれなくついてきます。
読まず嫌いが世界〈文學〉を読んでみた
1,700円
『読まず嫌い。』(角川書店)の増補「解体」版。 筋金入りの読まず嫌いが体を張って世界の〈文學〉と、それを読むための「補助線」になってくれる…
期間限定!PayPayで支払うと抽選でお得
戦後日本の児童文学を牽引してきた存在のひとつ、岩波少年文庫のレパートリーを、毎週1タイトル取り上げます。
シミルボン既発表ぶん(https://shimirubon.jp/series/727)は、2022年7月1日以降にnoteでも読めるようになります。
岩波少年文庫を全部読む。
980円
シミルボンから移行してきました。 少しでも長く続くよう、いや、全タイトルをレヴューできるよう、みなさん応援してください。
期間限定!PayPayで支払うと抽選でお得
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?