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2021年のコワーキング考察

どもども。青木です。

皆さん良い年末年始をお過ごしでしょうか?
来年のことを言うと鬼が笑う、と言いますがそれくらいの感じでご笑納くださいませ。

■今年の出来事

さて、来年の話しをする前に今年の出来事についてかる~く振り返ってみましょう。

・緊急事態宣言中のスペース休館
・他業界のワークスペース市場参入と細分化
・新たな利用者層、"近所の人"、オン-オフラインミックスの流入

この3つくらいでしょうか。

順に見ていきましょう。

・緊急事態宣言中のスペース休館

緊急事態宣言中は多くのスペースが休館を余儀なくされました。コワーキングスペースが"密"であり、(当時まだ意味がよくわかっていなかった)クラスターの温床になることが危惧されていました。

みんコワや、コロナ対策コミュニティマネージャー 情報交換グループなど、オンライン上でスペースの運営者やコミュニティマネージャーの情報交換が活発になったり、新たな動きを模索しておりました。

弊社funky jumpでも営業状況の調査を行いましたがかなりPVがあったことからも、これまで誰も直面したことのない感染症予防対策の情報収集・営業再開に向けての動きが活発でした。

・他業界のワークスペース市場参入と細分化

他業界のコワーキングスペース参入も増えました。飲食店が仕事する人を歓迎する姿勢を表明する、飲食店の空きデスクを検索するサービスが出る(ONE SEATTelework Space10 Minutes by SPACEE...)、ホテルにコワーキングスペースを備えたり、ワーケーションという言葉が生まれたりカプセルホテルに仕事ができる施設ができたりと、これまでふわっとしたワークスペース市場が細分化されました。コワークだけでなく、個ワーク、ワーク×◯◯が模索されました。なんとなく仕事であれば移動OKみたいな免罪符としての活躍もしたでしょう。

・新たな利用者層、"近所の人"、オン-オフラインミックスの流入

緊急事態宣言が解除され、少しずつ街に人が戻ってくると、いわゆる"新しい生活様式"へのシフトも起こりました。オフィスの縮小に伴いリモートワークが前提になったり、家での仕事に限界を感じて近隣のワークスペースを利用する、といった人やオフラインミーティングの合間にオンライン会議を行うためにワークスペースをちょっとだけ利用する、といった層が出てきました。

こんな流れが出てきた中での来年の予想です。

■2021年のコワーキング考察

さて、来年のコワーキング考です。以下の3つは起こるかなと思っています。
・ワークスペースが倍増する
・より先鋭化する差別化戦略とコモディティ化するコミュニティ
・"オシャレじゃないのにイケてる"スペースの増加
・優秀なコミュニティマネージャーの争奪戦

それぞれ考察を述べたいと思います。

・ワークスペースがめちゃくちゃ増える

ワークスペースは2020年と比べてめちゃくちゃ増えるでしょう。インドにおけるワークスペースの床面積が2019年と比べて倍増している、というニュースがありました。他世界各国でも外出に制限がかかる中で電車やバスに乗らずとも通える近隣コワーキングで働くという流れが出ています。コロナの変異種など、まだまだコロナが収まらない中でありますので日本でもこの流れが起こることは十分に考えられるでしょう。宿泊、飲食の流入もコロナの状況が改善されるまでは増加していくと考えています。

・より先鋭化する差別化戦略とコモディティ化するコミュニティ

ワークスペースの増加に伴って差別化戦略をより先鋭化させていく必要性を感じているスペースも多くなっていくでしょう。子供を預かってもらえる、インキュベーションを行う、学生に優しい、などこれまでも特徴的なスペースがありました。しかし、プレイヤーの増加に伴ってより実態のある差別化戦略が求められるようになります。インキュベーション施設なら実際に生み出した事業は何件なのか、支援実績は何件か、などそういったレベルでの競争が始まると考えています。ワークスペースは新しい層の流入によって評価のされ方も変わっていきます。より"わかってない"利用者がワークスペースを利用し始めるわけです。これまではなりたい姿をお題目のように唱えるだけで済んでいたスペースも、実態を評価されていく流れは避けられないでしょう。

また、コモディティ化するコミュニティ、ということでコミュニティがある、ということも珍しいものではなくなっていきます。ただし、これらのコミュニティは課題の解決、流通を軸に繋がっている強固なコミュニティではなく、同じ場を共有しているだけのコミュニティがたくさんできます。こういったコミュニティではネットワーキング系のイベントを開催しても小規模にとどまったり、長く続かなかったりするでしょう。普段から述べていることですが、コミュニティには明確なメリットが得られそう、という期待感が重要なのです。そういった弱いコミュニティが増えていくでしょう。これらは離脱率の低下には役立ちますが、特徴あるスペースを作るには力が足りないと考えています。自分達のスペースがどのレベルのコミュニティにまでなりたいのか、というビジョンを持っておくことが大切です。

・"オシャレじゃないのにイケてる"スペースの増加

これは"目指す方向性が変わる"スペースが増加することを指しています。
オシャレさがスペース選びに重要!なのはスペースの評価が定まっていない最初の頃だけ。利用者が増えてきて、利用者がスペースに期待することが見えてくると、オシャレさよりも利用者への利便性が重要視されるようになります。利用者が増加しているスペースは"オシャレなままではいられなくなる"のです。なのでこれからオープンする予定のスペースはレイアウト変更や工事のしやすさを頭の片隅に入れておくのが良いと思います。オシャレVS利便性はいつか遭遇する課題です。オシャレスペースがたくさん出てきた中で来年はこの課題にぶち当たるスペースが増えると考えています。この課題をどうしていくかも重要なポイントです。

・優秀なコミュニティマネージャーの争奪戦

上述したようにコミュニティがコモディティ化していく中で、多少予算をかけてでも強いコミュニティを作りたいスペースオーナーはいます。そんなオーナー達によって優秀なコミュニティマネージャーの争奪戦が始まります。差別化を余儀なくされる状況の中で、優秀なコミュニティマネージャーが生まれてきています。これまではコミュニティマネージャーが優秀なのか、スペースがいいのかを判断しづらい状況から様子見されていましたが、そんな余裕はなくなってきました。ワークスペース需要が増大する中で優秀な、実績あるコミュニティマネージャーを探す動きは来年増えていくでしょう。コミュニティマネージャーにとってはチャンスです。自分のスキルや実績を棚卸ししておくといいかもしれません。

ということで年末年始こたつに入りながらご覧いただければと思います。

本年もありがとうございました!来年もよろしくお願いいたします!!




来年のことを言うと鬼が笑うとは言いますが、さすがに明日のことなら笑わないかもしれないなと思いましたまる

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