クンダリーニヨーガ
真言密教は、ヨーガである。大胆な仮説ですが、実際どうなのでしょう?
私は初めにヨーガ(ヨガ)について勉強
しました。
ヨーガにも色々種類があって、
ハタヨーガ
ラージャヨーガ
サーンキヤヨーガ
などなどがあるらしいですが、門外漢の私
には違いがよく分かっていません。
私が勉強したのは、ハタヨーガの
「クンダリーニヨーガ」だけです。
日本では「軍荼利明王」の秘法
と呼んでいます。
成立などについて詳しく書くと煩雑なので、概要と行法について説明します。
(古い知識ですので、新しい情報を
お持ちの方、間違いに気づいた方は
お知らせください)
まず、これは人間の性的エネルギーを
利用する行法です。
一番下のチャクラ、
「ムラダーラ・チャクラ」は生命エネルギーを司っています。普段、それは、尾底骨の辺りに眠っています。
人間の身体には脊柱に沿って、スシュムナー気道という目に見えない管が通っています。
スシュムナー気道にはイダー(女性原理)と
ピンガラ(男性原理)の二本が螺旋状に
巻き付いています。(杖に巻き付く二匹の蛇で象徴されます)
瞑想時の呼吸法(鼻から吸い、口から長く
吐く)によって、ムラダーラにある生命
エネルギー(プラーナ)を頭頂部の
サハスララ・チャクラに導くのです。
その際、長時間にわたってこの呼吸法を
行うと過換気(過呼吸)に陥りますので、
注意が必要です。
実際に私は修法中に、この状態になり、
病院に入院しました。
しかし、クンダリーニの危険性は、
こんなものではありません。
プラーナを頭頂まで導いた後、また
ムラダーラ・チャクラまで下げる必要が
あります。
イダーとピンガラを通して上下させるのですが、最後は必ずプラーナを元の位置に戻して
やらなければいけません。
これが頭頂部に上がったまま、きちんと
戻らないと最悪、精神に破綻をきたします。
それが、このヨーガがきちんとした導師
(グル)についてやらなければいけない、
という所以です。
さて、これは座禅においても同じで
「禅病」と呼ばれています。
詳しく知りたい方は、白隠禅師の伝記を
読むと、その苦しさや、治し方が書かれて
います。
クンダリーニヨーガの目的も悟りの境地に
至ることですが、副産物として特殊能力の
開眼があります。
なぜならプラーナを上げる時に下から順に
チャクラを回して行くのですが、
サハスララチャクラに至る前に、
アジナーチャクラを通るからです。
眉間のチャクラ、所謂「第三の目」です。
脳の松果体の辺りでしょうか。
これが開くと俗に言う「超能力」が身に
つくと言われています。
お坊さんの目的は、「解脱」ですが、
修行を始めると色々な不思議な体験を
するそうです。
師匠に相談しても、「そんなものは、
どうでもいい。気にするな」と言われる
そうです。
目的は、「悟り」であって、超能力開発ではないのです。
弘法大師は、この修業の副産物を存分に
使っていたのではないでしょうか。
現代に伝わる弘法大師の伝説はあまりに
荒唐無稽なものが多く、鵜呑みにはできま
せんが、そう思わせる何かが、彼には
あったのでしょう。
さて、弘法大師がどうやって悟りを開いたか、また修行中のエピソードの
クンダリーニヨーガとの類似点を
次回、考察します。