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質問箱025:既存作品との構図被り問題

※Twitterの質問箱に寄せられた質問を、別途アーカイブしておきます。また随時、加筆修正を加えていきます。

【質問】


【解答】

①透視図法から学ぶ

なかなかデリケートな質問ですが。Twitterなどでも「先生の●●を読んで、▲▲を思い出しました」という言い回しで、「▲▲から盗作しただろ」と遠回しに言ってくる人がいます。だいたいが素人の思い込みなので、似ていないモノを似ていると、言い募っていることが多いのですが……。

対処方法として、自分に心当たりがあるのなら、それはオリジナルとは違えておく必要はあります。パースの理論をちゃんと理解すれば、手本とした作品があったとしても、画角を変えることで、別の創作物となりますから。ですが、それでも他の作家の影響を受けることは、避けられない面はあります。

②遡りルーツを学ぶ

その対処法として、そもそも自分の影響を受けた作品をオープンにして、自分はこの作品が大好きで尊敬しすぎて、無意識に影響を受けているかもしれませんというのを、先に行ってしまうというのもありでしょう。クエンティン・タランティーノ監督の作品は、そういうオマージュの連発ですし。

もう一つは、影響を受けるべき作品を古典に置く、ということです。例えばあなたが影響を受けた作家が居るとして。その作家が影響を受けた作家に遡って、影響を受けるというのはありでしょう。でもこの場合、その作家がご存命だったりすると、これまた盗作と言われる危険性があります。

③古典絵画から学ぶ

それを避けるための究極の方法は、すでに著作権フリーになったもの、つまりパブリックドメインに入ったものに影響を受けるという手法です。それは古典的な絵画であったり、チャップリンやキートンなどの映画であったり。多くの巨匠と呼ばれる人たちもまた、古典的な作品の影響を強く受けています。

「先生の●●を読んで、▲▲を思い出しました」などと言ってくる人に対して、「ああ、そのシーンはバロック画家の■■の影響です、ホラこれが元ネタですよ」と、さらりと返す。そういう嫌味な言い方をしてくる人には、さらに遡ったルーツとなる出典を明示することが、一番のダメージにもなりますから。

④良書名著から学ぶ

もちろん、古典の絵画や映画などの、勉強は必要ですが。どこから学んでいいか、わからないという人もいるでしょう。ですから、その入口として、誠文堂新光社から出版された『○×式で解説 誰でもかんたん!!構図がわかる本:バランス力アップで漫画・イラストが上手くなる!』は、入門書として、最適な本のひとつと思います。古今東西の絵画の構図を学びつつ、古典への興味関心を持てるよう、構成が工夫されています。

スティーブン・スピルバーグ監督の傑作『ET』が、ミケランジェロのシスティーナ礼拝堂天井画の影響を受けているように。古典を学ぶというのは新たな発見があると思います。人間がやれることは、そうそう変わりませんから、誰もが知ってる古典から、学ぶことは地力を高めると思いますし、その意味や価値を知ると、作品の見方が変わるかと思います。

Wikipediaより

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