「その人がかわいそうかどうかを決められるのはその人だけなんです」
どうも~千夏です。今回はドラマ「しずかちゃんとパパ」(最終回)のセリフから引用してみました。
木村多江さん演じるさくら先生のセリフです。
彼女は簡単に言いますと主人公のお父さん、純介(ろう者・カメラマン)のお客様です。
純介がろう者であることを筆談(「うまれつき」と記入。)で伝えたところ、何人もの子どもたち(さくら先生の勤務する小学校の児童たち)が彼を指で指しかわいそうとリアクション。
その場ではあわてたさくら先生が後日出した答えがこれでした。
自分とは違う不自由さを持つ人にかけてしまいがちな言葉TOP3はこれだと思います。↓
苦労人、かわいそう、大変だったんだね
私も吃音のことを話す(いわゆる「カミングアウト」です。あんまりこの言葉は好きじゃない…)とまず言われるのは「かわいそう」or「大変そうだね」です。
事実を言っただけなのに主観的な感想を言われてもなぁと思ってしまいます。ちなみに自分が第三者の立場ならきっと同じことを言ったのだろうと思うので特に不快には思いません。
でも同情されてしまうたびに、「相手は良かれと思っているけれど本当は微妙」である発言を知ることができます。
そういう意味で吃音があって良かったとホッとすることがあるんです。
微妙なら伝えてくれよと思うかもしれません。
ですがこの言葉を受け取ったあと、相手にこの感情を伝えるかはかなり迷うものです。
「どう思った?」と聞かれた場合のみ「うーん、べつに嫌ではないけどもしかすると(当事者や似たシチュエーションを持つ人の中には)不快に思う人もいるかもね。私は不快に思わないし、でも嬉しいとも思わないしプラマイゼロかも」と答えます。
症状が出るたびに言葉が出るのを待つ間ひどく顔をしかめる人がいます。
その顔が「かわいそうに」と言っているように見えてしまうことがあるんです。
初対面の人より、仲良くなった人や家族の方がそういう対応を取ることが多いです。
もちろん特に何もリアクションせずに待ってくれる人もいます。
あまりにも嫌だったら言うべきかもしれませんが、相手もたいていは無意識ですからね…。
親にやめてほしいと伝えるべきか迷っていたら気づいたら20になっていました…。
私は誰かに病気・障害等をカミングアウトされたら「そうなんだ~」とだけ返します。
驚くことはあってもそれ以上の感情を持つことはほとんどありませんから実際の感情とのズレはありません。
そしてその後の話に耳を傾けることにしています。
ある人は「こういう事があってね」という、話の展開を進めるために事実を言っているだけかもしれません。
別のある人は警戒心を解く目的で発しているかもしれません。
実は私が隠さないで言うようにしているのもこのためです。
お互いに話し方ばかり気にしてしまうことがないようにするためにあえて早めに言っておくのです。
※症状が出ないnoteでも発信しているのは単に「こういう人もいるよ」を伝えるためです。
ドラマのシチュエーションのようにろう者の方も多くは同情ではなく、共通認識のために伝えることが多いと思います。
必要以上に自分の感想を率直に示すと相手とのズレを生みかねないなぁと。
勝手に他人が決めてしまうことの恐怖を知る言葉とシーンでした。
最後に自分でかわいそうだと思うか、について触れておきます。私はわたし自身をかわいそうだと思ったことは特に無いです。
生きやすくはないけれどそれはこれから少しずつ変えていけるかなと思っていますし、周りの反応を気にしてしまうのはマイノリティ故に感度が高い+人生経験浅めだからだと自分では思っているからです。
今回はこんなところで終わります。それではまた~。
☆おまけ
吃音だと明かした際微妙だなと思う言葉、思わない言葉と私の心中
(あくまでも私のリアクションです。吃音に対するスタンスは様々だという前提でみてください)
・「吃音があるんだ〜へぇかっこいいね」
特に何も思いません。こういう反応の人もいるんだと驚きましたが、それ以上の感想は特に浮かばないのです。
・「吃音があっても頑張ってね、ハンデを乗り越えてね」(過剰に励ますタイプ)
イライラします。
そういう人に限ってひといちばいしゃべる人で顔しかめて同情しがち…。
・「症状あるように見えないよ、普通にしゃべれてるじゃん」
軽度だからそう思われることも多いけど急に現れて驚かれたり、勘違いを生んだりを防ぐために話してるのに…。このことから学んだんだことだけど、自分にとって見えないもの=ないもの、じゃないよね。
・「こんなこと言わせちゃってごめんね」
そういうもんなのか…。私は別に隠すもんでもないと思ってるんだけどなぁ。まだまだこの話題タブーだよなぁ。反応難しい話しして困らせてごめん。
・「頑張ってここまで喋れるようになったんだね」
質問なら良いんだけど勝手に決められるのはなぁ
私元々軽度だし、努力して治したわけじゃないからそうじゃないんだよなぁ(これは感情じゃなくて事実なので実際にこう答えます。決めつけられていることには触れませんが。)
・「千夏ちゃん、吃音治ったよね」
私そもそも治したいって思ったことないし、治ったって言われちゃうと症状がでた時にまた戻ったって意識しちゃうから(特に気にせず話してる事が多い)あんまり言われたくない…。