よろこびの歌【再読しての感想】
どうも~千夏です。
今回はお気に入りの本よろこびの歌(宮下奈都 著)を再読しての感想を書きます。
その前にちょっと前置きも書きます。前置きは飛ばせるようにしておくので
千夏とかいうクリエイターの読んだきっかけを見てやってもいいよという方だけ見てください。
読んだきっかけ
このnoteのクリエイター名、実は「よろこびの歌」の登場人物原千夏からとったものです。
わざわざ自分がプロフィール欄に「冬生まれ」と書いているのは単にシンプルなプロフィールっぽくなるだけじゃなくて「『千夏』は本名じゃないし実は夏とは反対の季節に生まれているんですよね~」という強調でもあるのです。
noteを始めてから「よろこびの歌」が気になってもう一回読みたいという強い気持ちから久しぶりに手に取ったのです。
別の記事にも書いているので繰り返しになってしまいますが「よろこびの歌」は学校の図書館で出会った本で中学、高校でそれぞれ確か一回ずつ読んでいます。この本のあらすじや魅力を思い出しながら記事を書いていたら読みたい気持ちが抑えきれず手に入れました(笑)
再読しての感想
再読前の記事は別にあるので再読してからの感想を書きますね。
挫折を抱えた自分にとってぴったりな小説だなというのが読んですぐに思った全体の感想です。(自分の挫折についてはマガジン風変わりな子でさんざん触れてきたのではしょります。)
挫折を生かそうとか、失敗は成功の元とかそういう話ではないけれど立ち上がらせてくれる。そんな力をもらいました。
前に読んだ時には合唱に加わらない早希と佳子の章は共感できない、地味だと思っていました。
けれど今なら挫折したときの「ぐるぐるどろどろ」に囚われている早希の気持ちも安全な地下について考えてしまう佳子の気持ちも想像できるのです。
彼女たちは決して挫折を軽々しく口に出さない、第一志望校として入学した人が多くないということを空気でなんとなく感じて、察しているだけでなかなか共有はしないのです。
「『赤毛のアン』に学ぶ幸福になる方法」(茂木健一郎著)になんでも思ったことをずけずけと言うのはマインドがおばさんで上品ではないと書かれていたことを思い出しました。
自分は口が軽いので割となんでもかんでも話してしまうのです。
早希も佳子もそれ以外の登場人物も思いを心に秘めていることが多く、
付き合いは深くありません。
それでも少しずつ仲良くなっていく彼女たちに気品を感じました。
挫折から立ち上がっていくというのとも違うし過去を完全に忘れたのでも、過去を生かそうというのでもなく、少しずつ向き合っていく、受け入れていくというシンプルな解決の仕方をしています。
自分はこれを読んだ頃過去について今よりも深く悩んでいました。
自分は過去を八割忘れたら楽になれると考えていながら、実際にやってみると苦しいという実感があって、「じゃあ、どうするのがいいんだろう」と
また振り出しに戻ったような感覚を味わいました。
そんな時、この作品からああこういう向き合い方や感じ方をするんだなとたくさんの気づきを得ました。
挫折については終わらない歌の早希からも感じることが多くありました。
合唱や友達によって完全に過去を忘れることはなく悩むたびにその過去に行きつくのです。
未来に目を向けてからも過去について考えることが後ろ向きになるとは限らない
別に捨てようと思いすぎなくても構わないのだと思うとなんだか楽です。
曲がっていてもいい。自分の感情が純粋なきれいなものばかりでなくてもいい。
早希の話からそんなことを思いました。
千夏と玲ばかり印象に残っていたけれど、それ以外の登場人物の話も再読してからは気に入りました。
この話の続編「終わらない歌」については
気が向いたらまた書こうと思います。
それではまた~